Y Combinatorが求めるOutlierが持つ特性

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Y Combinatorの応募の時期がまたやってきました。

Y Combinatorがどういった人を求めるか、またなぜY Combinatorへの応募を検討した方が良いか、私の考えを書こうと思います。私自身のY Combinatorでの経験や彼らがどういったものを求めるかを知りたいと、私宛にEメールを頂くことがあります。Y Combinatorへの応募を検討しつつも、作ったアプリケーション/アイデア/チーム/経験などが十分でなかったり弱みがあると感じるために、チャンスがないのではないかと思う人もいるようです。

そこで、私自身の経験と私の見解を書こうと思います。まず、あなたが見聞きしているであろう統計的な情報や条件は大きな問題ではなりません。例えば創業者の年齢や卒業大学などは関係ありませんし、既婚であろうが子供がいようが関係ありませんし、ましてやアメリカ人でなくとも、また共同創業者がいようがいまいが関係ありません。一般的には、このようなことによりスタートアップの舵取りをしながらY Combinatorに参加することは少々ハードルがあると言われることもあります。しかし、このようなことが応募を取りやめるべき理由であると聞いたことがありません。

ではY Combinatorがどういった人を求めているか。

私は、Y Combinatorは異端児(Outliers)を求めていると信じています。

投資判断においてまずはチームを見る、とほとんどのエンジェルインベスターは言うでしょう。しかし実際には、ソーシャルプルーフにより判断することが大半です。投資家にとってのソーシャルプルーフとは、他の誰があなたに投資をしているかです。投資家は他の誰があなたに投資をしているかを知りたいがために、投資の意思決定を先送りし起業家を数週間待たせることはよくあることです。また他の誰かが投資することを待っているだけのこともあります。

このことを理解することは極めて重要なことです。あなたがY Combinatorに応募しようがしまいが、他の誰が本当にあなたを信用し、信頼してくれるか、あなたは出来るだけ早く知りたいことでしょう。Y Combinatorには今や本当にたくさんの応募がありますが、その応募の中から選定して投資をして成功し続けているのは、非常に重要なコア特性を持つ人を求めているからだと思います。Y Combinatorが支援したいと考えるOutlierタイプであるかどうかは、次に書くいくつかの特性を持つかどうかでわかります。

Persistence(粘り強さ)

あなたは立ち止まってはなりません。粘り強さはあなたの性質そのものを表し、特に誰もがあきらめてしまいそうな状況をくぐり抜けて得られるものです。

私はこの重要性を身をもって学びました。2010年の2月、Y Combinatorに応募する直前のことです。2010年の1月の終わり、私は三菱東京UFJ銀行の渋谷支店のATMで口座残高を確認しました。たったの7000円しかありませんでした。

最悪です。私には妻と2人の小さな子供がいました。私はGinzametricsの前身となる初期バージョンのプロダクトを作るべく全ての時間を開発に注いでおり、大企業との素晴らしいSEOコンサルティング契約は、6ヶ月前に既に打ち切っていました。私は家に帰り、このことを妻に話しました。妻は「あなたがスタートアップを経営するのであれば、つらい時期があることを考慮に入れておく方がいいですね。この状況をなんとか解決してください」と言いました。妻が世界で最高の女性であることはさておき、このときの経験は私を本当に粘り強くしました。私はあきらめるつもりは全くなく、この経験を振り返りつつ、粘り強く打開策を模索しました。そこから事態が好転しました。私はY Combinatorに応募し、入ることが出来ました。拠点をアメリカに移し、全く新しいGinzametricsをリリースし、良い反応も得ました。しかし、その年の前半に得た教訓は、まだ継続していました。

昨年の秋、DemoDayの直後に資金調達を行いましたが、非常にタフな時期でした。何人ものエンジェルインベスターやVCと話しをしました。私は一人で全てを行っていたため資金調達に多くの時間を割くことが出来ませんでしたが、それでも製品や顧客に集中する代わりに投資家との交渉や調整を行いました。そして私は多くの「No」の回答をもらうことになります。サンフランシスコの投資家からも「No」と言われましたし、とあるVCからは別々の3人から「No」と言われました。私がどのように製品を売りどうビジネスを拡大させるか理解できない、というのが彼らの私に対するメッセージでした。

それは非常につらく、孤独な夜でした。しかし私には一切の迷いもなく、それをやり続けることだけを考えていました。
幸いなことに、一月もしないうちに事態は好転しました。売上げが急増し、私が取り組んでいたことを支援頂く顧客も現れました。すると突然投資家が現れて、今のような状況になっています。

つまり、様々なことが最低なこともあれば、信じられないくらい素晴らしいことも起こります。それはまるで波のようで、サーフボードの上でどのようにしていればよいかを学ぶ必要があるのです。

Succinctness(簡潔さ)

既に結構長く書いていますが、、、簡潔であることは本当に重要です。
面白いことに、あなたがやっていることをどれだけ簡潔に説明できるかが非常に重要視されます。それにより、どれだけ簡潔にコミュニケーションできる能力を持つかの判断材料になります。45分も話しをして何一つポイントを言わない人がいますが、本当に驚くことです。

あなたがやっていることを人に説明する際は、あれこれ言わす1行で説明するべきで、かつ出来るだけ具体的であるべきです。

Flexibility(柔軟性)

しつこくやり抜くこと(persistence)は最も重要なことですが、ただ頑固に頑なであることとは全く違います。あなたは、物事がうまくいっているかどうかを敏感に察知する必要があります。もしうまくいっていないのであれば、時間とリソースを割いて改善したり、場合によっては軌道修正したりする必要もあります。これはPivotと呼ばれることもありますね。
最近ではPivotという言葉があまりにも多くに聞かれるようになり、またPivotを行き過ぎなほど頻繁に行う会社も見ることもあります。もしあなたがサービスをローンチする前に7回もPivotしているとするならば、明らかにやり過ぎです。Pivotする前に、何がうまくいっていないのかデータで把握する必要がありますし、サービスのローンチなしにはデータは手に入りません。また少なくとも多くの潜在顧客と話しをする必要があるでしょう。このようなあまりに頻繁なPivotやデータの検証なしに判断することは、私が柔軟性と呼ぶものではありません。

柔軟性(Flexibility)とはY Combinatorとのインタビュー時に明らかになるようなものです。ポールグラハムや他のY Combinatorメンバーは、あなたのアイデアに対して矢継ぎ早に質問するでしょう。あなたのスタートアップのアイデアを、あなたがどの程度柔軟に変えていけるかを知るいい機会です。
なぜこれが重要かというと、あなたがサービスや製品をローンチさせたり顧客と会話をするつれて、あなたのアイデアの変更や修正を余儀なくされる良いチャンスがあるからです。

Ginzametricsの場合、全体的なアイデアや基本的な製品コンセプトは大きくは変わっていませんが、顧客とのやり取りなどを通じて、文字通り数百もの細かな教訓がありました。その多くは私自身の考えとは大きく違ったり、正反対のものもありました。これは現在も継続して行っている活動であり、もし私の最初の考えにこだわっていたならば、現在の状態とは全く違った姿になっているだろうと思います。

Conclusion(最後に)

最後に。Y Combinatorに応募しても駄目だろうと自分で決めつけないこと。自分たちはY Combinatorに応募してもきっと駄目だろうから応募しないことにする、と聞くことがあります。もしあなたがただ言い訳を探しているだけなら、良い言い訳が見つかるかもしれません。

でも言い訳を探す前に、ちょっと私を見てください。私がY Combinatorに応募したとき、共同創業者はおらず、30代半ばで、結婚して2人の子供がいましたし、トップスクールを卒業したわけでもありません。

あなたがそれを問題だと思えば、それは問題になります。そう思わなければ、それは問題ではありません。どう思うかは、あなた次第です。

2012winterの応募期限は10月10日です。さぁ是非応募しよう!

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Categories: イーブック・調査レポート.