急成長するサービスの “バイラリティ”(バイラル機能) を構成する8つのステップ

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スタートアップの界隈で、急成長のキーワードとして語られることのある”グロースハック”/”バイラリティ”。

企業のマーケティング担当にとって、顧客獲得や売上拡大のための施策は、『広告やプロモーション』だったり、『外部パートナーへのアウトソース』が多いと思い、また口コミを活用しようとなると『バイラルマーケティング』が・・・となりがちだと思います。

一方、スタートアップにとってのそれは、往々にして『プロダクトに手を加える』ことで、『他社が活用していないチャネル発掘』であり、『バイラリティ』の設計と実装をどうするかです。

この2つは思考も行動もかなり異なるため、”グロースハック”/”バイラリティ” は企業のマーケティング担当者にとっては、自分には関係のない他人事と思えるかもしれません。

しかし、きちんと頑張る企業のマーケティング担当だったら、「安価に新規ユーザーを獲得」を達成したいし、願わくば「急成長」も実現したいのでは。
このブログ記事では、自社のマーケティング活動に、急成長したスタートアップの主たる成功要因である “グロースハック”/”バイラリティ” を取り入れられるか検討したいマーケティング担当向けに、連続起業家であり、自身グロースハッカーである Greg Pietruszynski 氏のブログポスト内容を紹介します。

“バイラル” での成長機会を探る

「シェアボタンをどのページにも設置することで、プロダクトがぶわーっと一気に広まるよ!」

プロダクトが “バイラル” で広がるとは、こういうことだと信じられている節がある。
スタートアップの創業者の中には、”バイラルは簡単” で、”バイラルでの成長に戦略は不要だ” と勘違いする者もいる。

確かに “バイラリティ” は、新規ユーザーを無料もしくは低い獲得単価で獲得する素晴らしい方法だ。スタートアップにとって無料でユーザー獲得ができることは魅力的であり、それゆえに “バイラル” での成長機会を探る価値がある。

しかし、ただ夢見がちではいけない。
まずは基本を理解するために、よくある誤解を見ていこう。

バイラリティの基本

“バイラリティ” は単一の機能ではない。それは設計原則である。

それは “運” ではない。それは設計されるものである。

ユーザーに “いいね!” を押してもらうべく強いることはやめよう。
ユーザーを理解し、シェアにつながるためのユーザーフローを設計せねばならない。

かわいい猫の動画が、たまたまバズることはあるだろう。
でも、それはソフトウェアプロダクトには起こりえない。

特定のシチュエーションでどの機能が有効に働くか、あなたは考え抜かなければならない。

このガイドがバイラルの成果を伸ばすためのヒントになればと思う。
ただ、このガイドで取り上げる事例を真似るだけでは絶対にうまくいかない。あなたのサービスとあなたの環境において、何が機能するか、あなた自身で見つけ出す必要がある。

バイラルなプロダクトのための戦略

“バイラル” なプロダクトを作るための最良の戦略は何だろうか?
それは、ユーザーにそれを大好きになってもらうことだ。

取るに足らないプロダクトのことを、誰が “いいね!” って言うんだい?

だから、素晴らしいツールを作ることが必須。その上で、ちょっとだけシェアのための機能の方に、ユーザーを促すだけだ。

バイラルされやすいプロダクト

もちろん、あるプロダクトが他のプロダクトよりも、よりバイラルされやすいということはある。

例えばコラボレーション系のツールや情報共有系のツールは、他の人と利用すること自体がそのツールの価値でもあるため、ツールが利用されることとシェアされることは、ほぼ同義とも言える。
Skypeは独り言のためではなく、誰かとコミュニケーションを取るためのツールだし、Facebookも友達が使っていなかったら全く意味のないサービスだ。

そのようなプロダクトのバイラル係数は非常に高い(バイラル係数:新規ユーザー/既存ユーザー。既存ユーザーからどれだけ新規ユーザーが生み出されたか)。
この種のバイラリティ、つまりバイラリティが元々備わっている状態を “inherent virality” と言う。
あなたのプロダクトに、この種のバイラリティが備わっていない場合、どうすれば良いだろう。

2つの選択肢がある。
1つは、プロダクトに何かしらのコラボレーション要素か情報共有の仕組みを導入すること。もう1つは、他のバイラル機会を探ることだ。

このブログ記事で、バイラル機会を探るための8つのステップを見ていこう。

急成長する新サービスの “バイラリティ” を構成する8つのステップ

バイラリティを構成するステップは次の8つだ。

ステップ1:ユーザを理解する
ステップ2:ユーザーが使っているエコシステムと統合する
ステップ3:超自然に/簡単にシェアできるようにする
ステップ4:既存のネットワークの中であなたの存在を拡張させる
ステップ5:ユーザーにあなたのプロダクトを薦めてもらう
ステップ6:”楽しみ”を提供する
ステップ7:制限を設ける
ステップ8:更なる機会を見つけよう

ここから紹介する8つのステップを参考にすることで、あなたのプロダクトのバイラルパフォーマンスが改善することを期待している。

ステップ1:ユーザを理解する

シェアするのはあなたのファン(engaged users)だけである。

そう、あなたのファン “だけ” である。

何はさておき、バイラルの戦略を考え始める前に、ユーザーがあなたのサービスをきちんと使っており、エンゲージされている必要がある。

「私はこのサービスが好き、きっと友達のジョンも気に入るはず」
シェアは、ユーザーがこういう風に思うところから始まる。

そうなるには、そのプロダクトは大いなる価値がある/凄くいい、とユーザーが思っている必要がある(そのぐらいプロダクトが卓越している必要がある)
そしてその価値は、シンプルにクリアーに他の人にも伝わる必要がある。価値がシンプルでないと、それだけでコンバージョンは大きく下がる。
EchoSign の Jason M. Lemkinは、Quoraにこのように書いている。

「例えば EchoSign では、1人の有償ユーザーのバイラルによって別の有償ユーザーが登録する(つまりバイラル係数が1になる)のに、平均して8ヶ月かかった。数年に渡りこれが積み重なって、今では第4世代、第5世代と言える多くのバイラルユーザーが存在する。」

時間はかかるかもしれないが、それは必ず報われる。
上述の通り、シェアするモチベーションは「ジョンの役に立った」という満足感だが、それを後押しするような手を打つこともできる。

“満足感”以外にユーザーが求めるものを明らかにしよう。割引などの金銭的な報酬?、プロダクトの先行利用権?、特別機能の提供?、VIPアカウント?
また、誰にあなたのプロダクトが推奨されているかを知ることも重要だ。

これらの情報は全て、“Motivation -> Trigger -> Action -> Reward” というユーザーフローの設計に役立つ。
適切なモチベーションと報酬の組合せは、成功のためのキーポイントである。

この設計の後、シェアを引き起こすために、あなたな適切な Triggers を引くだけでいい。

ステップ2:ユーザーが使っているエコシステムと統合する

最も強力な “Triggers” は、全く努力を要せずにユーザーとしてもほぼ無意識にできることだ。
ユーザーの”コンタクト”に簡単にアクセスできる方法を見つけ出す必要がある。

逆に、あなたのサービスやアプリと関係なく、手動でメールを送ってもらうという方法は、全くうまくいかない。

バイラルの成長のために、他のエコシステムを利用することは最良の方法である。
メールシステムとの統合、API(特にソーシャルネットワーク)との統合、電話アプリとの統合などだ。

ステップ3:超自然に/簡単にシェアできるようにする

Yesware や Rapportive はターゲットユーザーに非常にうまく広がった良い事例だ。

プロダクトに価値があり、それゆえユーザーは次から次へとサービスを広めていった。何かしらの特別の”シェア”機能がなかったにも関わらず。
これらプロダクトはGmailと統合しており、「ジョン、この Rapportive ってサービスかなり凄いぞ」と書くのに2秒とかからない。

これが「超自然に」という意味である。
メールの中に必要な情報が既に含めてあれば、特別の”シェア”機能はあってもなくても大差ない。

超自然に/簡単にシェアできるようにする

例えば Hackpad にも、シェアボタンはない。
あなたが、手元で作成したドキュメントを誰かに見せようとすれば、それがそのままシェアされることでもある。

FacebookやGoogleとのインタグレーションのおかげで、あなたは個々人のメアドを知る必要もない。
ドロップダウンリストから相手を選び、ドキュメントをシェアするだけだ。

ステップ4:既存のネットワークの中であなたの存在を拡張させる

ソーシャルメディアやメールでユーザーがシェアすることを、あなたは強いることができない、ということは常に念頭に置いておく必要がある。
それはユーザーの自発的に行うものだ。

しかし、ユーザーフローの適切なタイミングで、シェアすることを促すことはできる。
例えば Scoop.it は、8つのプラットフォームに自動投稿できるようにしている。

プラットフォームに自動投稿

“オートシェア”は非常に強力であるが、それはユーザーのモチベーションに沿っているかが重要である。

Spotify はFacebookのオープングラフを活用することで、ニュースフィード上に大量に露出することができた。
ほとんどの人は、聴いている音楽をシェアすることに何ら抵抗がなかったため、この戦略はうまくいった。

ステップ5:ユーザーにあなたのプロダクトを薦めてもらう

コンテンツのシェアが十分満足いくものではない場合、リファーラルプログラムを試してみてもよいかもしれない。
この場合、“シェアの質” が “シェアの量” よりもずっと大事だ。

スパム的アプローチは決してうまくいかない。リファーラル機能を導入する際は注意深く進めるべきだ。

ユーザーが、あなたのプロダクトを好みそうな友人だけに”インビテーション”を送るように、慎重にメッセージを選ぶ必要がある。
単に “友達全員にインビテーションメールを送る” ボタンをクリックさせるのではなく、そのインビテーションを友達に送ることでよりプロダクトに愛着を感じるような、インビテーションを送る側/送られる側両方にとってメリットがあるようにしよう。

■Uberの事例

良い事例としてUberがある。
友達を招待すると10ドルを得られるというリファーラルプログラムで、確認できたデータによると、”無料でいいからタクシーに乗る” ことが、Uberの成長ドライバーにとって最も重要であるそうだ。

リファーラルプログラム

この手のリファーラルのオファーは、大きなPR効果につながる場合もある。人々は “無料” は大好きだ。

ただ残念なことに、このリファーラルプログラムには欠点があり、一部のUberユーザーが、自身のリファーラルリンクで広告を作るようになってしまった。
タダでお金をあげるのではなく、自社システム内でのリファーラルプログラムに留める方が良いかもしれない。

■Blinkistの事例

別の例としてBlinkistでは、あなたのインビテーションを受けとった友人がサインアップしたら、あなたの無料トライアルが7日延長するプログラムを実施した。

このプログラムにより、友人にアプリを薦めたアクティブユーザーは8.4%増加した。
またインビテーションを受けとった友人のサインアップ率も良く、メール経由は34%、Facebookでのリファーラルだと25.5%がコンバージョンした。

■Yammerの事例

リファーラルプログラムは、特定の組織内で新しいユーザーにリーチし、また登録する上でも非常に有効な方法だ。

Yammerの創業者のDavid O. Sacksは、Yammerのバイラル戦略を次のように説明する。

「登録のためには会社のメールアドレスを必要とする。そして同じメールドメインを持つ同僚を招待することができる。
初期のFacebookと似ていて、ハーバードネットワークに入るためには、harvard.edu メールアドレスで登録する必要がある。加えて、ユーザーはクローズなコミュニティを作ることができ、そこでパートナー、顧客、ベンダー、サプライヤーなどとやり取りができるようにした。このインナーネットワークでのバイラリティを通じて、新たな企業ネットワークへアクセスし、拡大することができた。」

このように、リファーラルプログラムは、個人で使うアプリにもBtoB SaaSプロダクトにも適応可能である。

BtoB SaaSプロダクトのリファーラルプログラム

ステップ6:”楽しみ”を提供する

多くの場合、プロダクトの “アンバサダー” を喜ばせるために、お金をプレゼントする必要はない。

Trello は別の手段 “Trello Gold” を行った。
彼らは特別な機能、例えば特別な背景画像、ステッカー、カスタム絵文字、アバターの王冠、などを提供し、ユーザーに特別な扱いを受けているように感じてもらっている。

Trello の Bobby Graceによると
「より強固なセキュリティ管理や権限管理を行いたいビジネスユーザーに対して、私たちは “ビジネスクラス” を提供しています。また “Trello Gold” をスーパーファン向けに提供しています。本質的ではないけれど、あったら楽しい機能を “Trello Gold” ユーザーに提供していきます。」

ステップ7:制限を設ける

不思議に思うかもしれないが、急速な成長によってあなた自身がダメージを受ける場合がある。
例えばあなたのビジネスが、何かしらのクオリティを担保するコミュニティの場合、ユーザー数の増加にある程度の制限を設けることは良い考えかもしれない。

Quibbは起業家向けのSNSで、会員登録希望者の34%しか実際に会員にさせていない。
会員登録を許可されたユーザーは、より歓迎されたと感じるし、また友人を招待する時もより慎重にインビテーションを送ることになる。

ステップ8:更なる機会を見つけよう

多くのプロダクトが、いわゆる “powered by” 戦略の恩恵を受けている。
それは使い古された昔の戦略だと言う人もいるが、それでも良い昔の “powered by” は非常に強力だ。

顧客のウェブサイトに “powered by” リンクが設置される形であり、顧客が常にあなたのプロダクトを宣伝してくれている状態である。

パワードバイ戦略

■Qualarooの事例

Qualaroo で “powered by” 戦略がどのように機能したか、Sean Ellis は次のように語る。

「新しい売上の12%は、“Powered by” link から生み出された。もっとも、売上の大部分は自然検索などからもたらされたが、このようなユーザーも過去にどこかのサイトで Qualaroo の文字を見たことがあることが多かった。

Qualaroo へのニーズは差し迫ったものではないことが多いが、サイトについての問題点を知りたいと思ったとき、その問題解決手段の一つとして Qualaroo が思い出されることが多かった。
“powered by” 戦略の効果として、直接的なコンバージョンや売上への貢献に加えて、”view-based conversions” も考慮に入れておくべきでしょう。

■Quoterollerの事例

“powered by” 戦略の他の事例を紹介しよう。

Quoteroller はビジネス上の提案(提案書)の管理システムである。
アクティブユーザーの90%は、ビジネスパートナーに提案書を送る時に “mycompany.quoteroller.com” リンクを送っている。つまり、提案が送られる都度、Quoteroller 名が露出するようになっている。

この施策によって、毎月5-7%の有料ユーザーが生み出されている。

「成果は素晴らしいものがあります。何かしらの追加作業もしていないのですし。」と Quoteroller の Sasha Kovaliov は語る。

これこそまさに、素晴らしいバイラリティである。
一旦適切にデザインされれば、何かしらの追加作業なしに、毎月バイラルチャネルを通じて新しいユーザーが継続的に増えていく。

■Brand24の事例

あなたのプロダクトを用いて有用なコンテンツを作り、それを潜在顧客層にシェアすることもできる。
Brand24 は自社ツールのデータを利用して、ソーシャルメディアに関するトレンドを示すレポートを作成した。

例えば、“The Most Interactive Tech Blogs”というレポート作成のために、30のテック系ブログに関する 2,476,124 のユーザーアクションを分析した。

「このレポートは実際に役に立つものであり、またこの1つのレポートにより3,553トラフィックを生み、315のβバージョンの登録につながった。」と Brand24 の創業者の Mike Sadowski は言う。

私からのアドバイスは、どういったインサイト/情報があなたの顧客層にとって価値があるか明らかにし、レポートを作成しよう。人々は常に、有用なデータは欲しがるものだ。

ソーシャルメディアの分析レポート

■GrooveHQの事例

GrooveHQ のアイデアも非常にユニークだ。

彼らは “2013 SaaS Small Business Conversion Survey” を開催し、参加者に対して70万円相当の商品/賞金を用意した。
(ちなみに KISSmetrics、Moz、Unbounce といった企業にスポンサードさせた)

「その結果、1500ほどのレスポンスがあり、無料のトライアルも50ほど獲得できた。」と GrooveHQ の創業者の Alex Turnbull は言う。
ここまで見てきたように、リファーラルは最も重要な顧客獲得チャネルであると、スタートアップの創業者たちは考えている。

スタートアップの顧客獲得チャネルの割合

まとめ

適切に設計されたバイラルチャネルにより、無料で顧客獲得を加速させることは可能である。

このブログ記事で紹介したアイデアをミックスし、そしてテストし、何があなたのプロダクトで有効に機能するか見つけ出して欲しい。
★この記事は、当社アドバイザーHiten Shahが社長をつとめるKISSmetrics社のブログ「A Recipe of Viral Features Used by the Fastest Growing Startups」を抜粋/翻訳した内容です。
内容の詳細、またデータソースはKISSmetrics社のブログにてご確認ください。
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