サイト/コンテンツ制作時でのSEOのキーワード選定〜キーワードの洗い出しと分類〜

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SEO対策のプロセスの中で、キーワード選定は非常に重要です。

「せっかくSEO対策をして1位になったのに、流入もコンバージョンも全然増えない」というSEOにおける失敗はよく聞きますが、キーワード選定の不足や不備が原因であることも多いです。

そのようなSEOの失敗を防ぐべく、SEOでのキーワード選定方法を紹介します。なお、キーワード選定には、主に下記2つの種類がありますが、今回は、1のサイトやコンテンツの制作/リニューアル時のキーワード選定についてまとめます。

  1. サイトやコンテンツ制作/リニューアルを行う際のキーワード選定
  2. SEOの成果をモニタリングするためのキーワード選定

SEOの成果をモニタリングするためのキーワード選定の方法はこちらの記事で解説していますので、SEOでのモニタリング用のキーワード選定に関心のある方は、こちらを参考にしてください(SEOツールでモニタリングするキーワードの選び方)。

SEO対策におけるキーワード選定の重要性

SEOにおいてキーワード選定は重要です。アメリカのMarketingSherpaのレポート「Search Marketing Benchmark Report – SEO Edition」によると、SEOで効果創出のために重要なものとして「Keyword Research」が1位に上げられています。

キーワード選定の重要性

キーワード選定とは、キーワードを選ぶことと合わせて、ユーザーを選ぶ作業でもあります。自社の商品やコンテンツを喜んでくれるユーザーと、そのユーザーがどういったキーワードで検索するかを調べる。それがサイトやコンテンツ制作時のキーワード選定です。

したがって、キーワード選定では、どんなキーワードで検索するユーザーにウェブサイトを通じて商品やコンテンツを届ければ、ビジネスにつながるのかを考えます。間違っても、後で紹介するような各種方法で、機械的にキーワードを洗い出して、検索ボリュームの少ないキーワードを削除するだけで終了、というようなやり方はしないでください。

どんなユーザーにウェブサイトを見てもらいたいかということを考えずして、キーワードを選ぶと、例えSEO施策でキーワード順位が上がっても、コンバージョンや売上増につながりません。そんな失敗をしないために、キーワードだけでなく、狙うユーザーもちゃんと選定してください。

3ステップで進めるSEOキーワード選定

サイトやコンテンツ制作/リニューアル時に行うキーワード選定は大きく下記の3ステップで行います。

  1. 各種手法を使ってキーワードを幅広く洗い出す。
  2. 洗い出したキーワードを分類する。
  3. 優先度に基づいてキーワードを絞り込む。

今回の記事では、キーワードの洗い出しとキーワードの分類について紹介します。

キーワードの洗い出し

キーワードの洗い出しは、ウェブサイトやコンテンツが対象とするユーザーが、どんなキーワードで検索するか、そのキーワードの背景にどういったニーズや検索意図があるかを調べるために行います。

SEOでのキーワード洗い出しでは、直感だけに頼らず、次のようなデータを利用して幅広く洗い出しましょう。洗い出しの段階では、漏れが発生しないよう、キーワードは意図的に広く洗い出すと良いでしょう。

1.アクセス解析&Search Consoleデータ(自然検索のサイト流入実績のあるワード)
2.PPC広告データ
3.過去PPC広告データ(現在はPPC広告を出稿していないワード)
4.商品カテゴリ名、サブカテゴリ名、商品名、商品関連情報
5.事業上重要なキーワード
6.事業上重要なキーワード × 地域などの掛け合わせ
7.担当者の経験、直感、ユーザーが欲する情報
8.社内に蓄積するデータや情報(顧客ニーズ、クレームなど)
9.競合サイトの情報(カテゴリ、サブカテゴリ名、記事タイトルなど)
10.Googleキーワードプランナーなどのツール
11.その他(Q&Aサイト、ソーシャルメディア、キュレーションメディアなど)

商品のことを認知している段階とそうでない段階では、検索で利用するキーワードは異なります。情報収集している時と購入先を探している時でもキーワードは異なります。対象とするユーザーの状況を網羅的に整理し、状況ごとに検索キーワードを洗い出していきましょう。カスタマージャーニーマップを事前に作っておくと、作業がしやすいかと思います。

カスタマージャーニーの段階によってユーザーが使用するキーワードは異なる
カスタマージャーニーの段階によってユーザーが使用するキーワードは異なる

キーワードの洗い出し自体が、顧客のニーズの発見につながることもあります。新たなニーズを発見したら、そのニーズからキーワードを広げてみると良いでしょう。一方で、キーワードの洗い出しだけでユーザーのニーズを調査することには限界があります。ユーザー調査自体は、これまでに蓄積した顧客情報やアンケートデータなども使って行うのが良いでしょう。その方が、キーワードの洗い出しも行いやすいかと思います。

また、キーワードは、幅広く洗い出しましょうと言いましたが、「スカート 通販」と「通販 スカート」など、語順を入れ替えただけで、検索ユーザーのニーズや検索意図に違いがないものは無視してOKです。あくまで目的は、対象ユーザーのニーズや状況別に、どういったキーワードで検索するかを調べることです。

キーワード洗い出しのために利用されるツール/情報源

キーワードの洗い出し作業では、よく利用されるツールや情報源があります。先に列挙した11の情報源について、それぞれ詳細を説明します。

1.アクセス解析&Search Consoleデータ(自然検索のサイト流入実績のあるワード)

自然検索のサイト流入実績のあるキーワードは、言い換えれば、現時点の自社サイトが得意とするキーワードです。

そのキーワードで検索するユーザーが存在し、自サイトに多少なりともマッチするページも存在し、実際に流入するだけの検索順位も獲得できているためです。

流入実績があるキーワードは、数が多いので「一定以上の流入ありワード」+「過去CV実績ありワード」+「自社サイトに呼び込みたいワード」など、ある程度絞ると使いやすいでしょう。

2015年以降、Yahoo!もSSL化したことにより、流入キーワードがアクセス解析では、ほとんど分からなくなりました(not provided問題)。現在、自社に流入しているキーワードを一番把握できるツールはSearch Console(旧ウェブマスターツール)です。Search Consoleの検索アナリティクスで、全てではありませんが、流入キーワードを洗い出す事ができます。画面上には一覧では999ワードしか表示されませんが、APIを使うことで、現状最大5000ワードまで取得することができるようです。

ただし、現状取り込めていないワードは洗い出せないため、下記に述べる、その他の方法も併用してキーワード洗い出しを行います。

2.PPC広告データ

PPC広告を出稿している場合は、出稿キーワードをぜひチェックしましょう。

PPC広告の出稿ワードは、非常に幅広いことが多いです。そのため、自然検索では流入を獲得できていない一方で、PPC経由の流入はあるワードも多く含まれています。また、PPC広告では、キーワード別に、インプレッション、クリック数、コンバージョン数などのデータも取得できます。したがって、アクセス解析やサーチコンソールでは、取得できないデータが数多くあります。

また、PPC広告では、キーワードのグループ管理も細かく設定されていることが多いかと思いますが、PPC広告のグループ分けも、後ほどキーワードをグルーピングする際に役立ちます。

3.過去PPC広告データ (現在はPPC広告を出稿していないワード)

過去PPC広告として出稿するも、現在は出稿していないキーワードには、「広告費をかけてまで獲得したくないが、本当は獲得したいワード」が含まれていることがあります。こういったキーワードは、SEOと相性が良いことも多いかと思いますので、過去のPPC広告出稿キーワードもチェックしましょう。

また、PPC広告担当者との意見交換も有用です。多くの企業で、PPC広告担当者は広告費を使っている分シビアにキーワード選定を行い、キーワード(≒ユーザーニーズ)について深く理解していることが多いためです。

4.商品カテゴリ名、サブカテゴリ名、商品名、商品関連情報

すでにウェブサイトを運用している場合は、カテゴリページ、サブカテゴリ、商品ページなどが存在しているでしょう。ウェブサイトを構築した際に、ユーザーの調査やニーズ調査が行われている可能性があります。

もしそうであれば、カテゴリ、サブカテゴリ名やサイト内検索の検索条件、商品データの項目名などはユーザーのニーズを反映した重要なキーワードです。

5.事業上重要なキーワード、
6.事業上重要なキーワード × 地域などの掛け合わせ

似たようなテーマのウェブサイトを運営している場合も、事業によって重要なキーワードは異なります。

「賃貸マンション」、「海外旅行」、「転職」、「英会話」、「学習塾」などのビッグワードは、大手サイトや既に上位にポジションするサイトでは、プレゼンスを示す意味で、上位を維持したい重要なキーワードです。

ニッチな領域で強いサービスを提供する会社は、そのニッチな領域を表すキーワードが重要です。例えば、事業が地域特化している場合は、地域掛け合わせ(例:「賃貸マンション 二子玉川 敷金礼金なし」)や地元特有のキーワード(例:小中学校名、バス停名など)などです。

7.担当者の経験、直感、ユーザーが欲する情報

担当者の経験や直感的に大事だと思うキーワードは、やはり大事であることが多いです。元々、営業やカスタマー部門にいた方が、SEO担当をしている場合などは、なおのこと経験も活かしてキーワードを洗い出したほうが良いかと思います。

経験を活かすと言っても、洗い出すキーワードはユーザーの立場に立って考えることは忘れてはいけません。業界経験が長いと、業界用語などが当たり前に感じてしまうかもしれませんが、その言葉をユーザーも使うかについては、注意が必要です。

8.社内に蓄積するデータや情報(顧客ニーズ、商品特徴など)

顧客の課題や悩みを聞く営業担当やカスタマー担当、商品の強みやウリを作る/よく知る商品担当は、情報の宝庫です。SEO担当者が認識していない、思いがけないキーワードを洗い出せることも多いです。

注意点は、他部門に協力してもらう工夫をする必要があることです。下記の記事でも書いていますが、大きな組織ほど、SEO目的だけでコンテンツ用の情報提供について、他部門が協力してくれることは少ないかと思います。

参照:オリジナルコンテンツを活用してSEOで成果を獲得している企業の3つの特徴

以前、インタビューをした看護師向け求人サイトを運営するエス・エム・エス社でも、求人案件担当のコンサルタントからの求人情報が一番重要で、手間をかけてでも協力してもらえるよう働きかけたと話されていましたが、他部門の担当者から、情報を引き出すことができている組織では、何かしら工夫と努力をされています。

SMS社のインタビュー:http://www.ginzametrics.jp/blog/interviewsms

9.競合サイトの情報(カテゴリ、サブカテゴリ名、記事タイトルなど)

4で自社サイトのカテゴリ、サブカテゴリページなどが重要と言いましたが、競合サイトのカテゴリ構造もキーワード洗い出し時に参考になります。特に他社にあって自社にないカテゴリがないかをチェックすると良いでしょう。

もし、自社にないカテゴリを競合他社が持っていて、そのカテゴリは、競合他社がしっかりニーズ調査をした上で、設計したカテゴリであれば、現状ではそのニーズを取りこぼしている可能性があります。

10.Googleキーワードプランナーなどのツール

Googleキーワードプランナーなどの、各種キーワード調査ツール/方法を用いてキーワード洗い出しを行うことも有効です。

キーワード調査ツールには、関連ワード、サジェストワード、相関の高いワード、連想語、共起語など、色々な種類の調査ツールや方法があります。下記、調査できるワード別の代表的なツールになります。各ツールの概要説明は、当blogでも紹介しましたので、参照下さい(無料で使える検索キーワード調査ツール14選)。

関連ワード
・Google AdWordsキーワードツール(https://adwords.google.com/KeywordPlanner)

サジェストワード
・keyword.io(http://www.keyword.io/
・グーグルサジェストキーワード一括DLツール(http://www.gskw.net/
・Ubersuggest(http://ubersuggest.org/
・KeywordTool(http://keywordtool.io/

相関ワード
・GoogleCorrelation(http://www.google.com/trends/correlate/

連想語、類語、共起語
・連想類語辞典(http://renso-ruigo.com/
・weblio類語辞典(http://thesaurus.weblio.jp/
・共起語検索(http://neoinspire.net/cooccur/

QAサイト
・Yahoo!知恵袋(http://chiebukuro.yahoo.co.jp/
・教えて!goo(http://oshiete.goo.ne.jp/
・Quora(https://www.quora.com/

トレンドワード
・Googleトレンド(https://www.google.co.jp/trends/

トレンド情報
・cotoha.com(http://cotoha.com/
・Yahoo!リアルタイム検索(http://search.yahoo.co.jp/realtime

11.その他(Q&Aサイト、ソーシャルメディア、キュレーションメディアなど)

自社サイト、競合サイト以外にもキーワード洗い出しの情報源として、参考になるサイトはあります。

Q&Aサイトからは悩み系のキーワード、ソーシャルメディアからはトレンド系のキーワードなどを洗い出す上で参考になります。また、キュレーションメディアやハウツー系のサイトのタイトルやタグなどからも、幅広いキーワードを洗い出す事ができます。

自社で狙っているキーワードで検索上位に上がってくるようなサイトは、競合に限らず洗い出しの際にはチェックしてみても良いでしょう。GinzaMetricsのコンペティターディスカバリーという機能を使えば、キーワードの領域別の上位サイトや上位コンテンツが簡単に把握できます。ぜひご活用ください。

コンペティターディスカバリーによる競合サイト調査
コンペティターディスカバリーによる競合サイト調査

「キーワード洗い出し」の際の留意事項

キーワード洗い出しを行う際、次の点に留意する必要があります。

  1. ユーザーが利用するキーワードを選定する。
    対象とするユーザーが知りたいこと、探すこと、困っていることなどからキーワードを洗い出す必要があります。
  2. 購入モードに限定するか、非購入モードまで広げるか決める。
    購入モードを表すワードは、相対的に競争性は高く、コンバージョン率は良く、ハードな情報にマッチしやすいです。
    非購入モードは、相対的に競争率は低く、直接コンバージョンはしづらく、ソフトな情報にマッチしやすいです。
    (特に最近は、コンテンツマーケティングに取り組む企業の増加に伴い、ソフトなコンテンツ(非購入モードの潜在ユーザー)作りの重要性に着目する企業が増えています。)
  3. 洗い出しを一度やって終わり、としない。
    キーワード洗い出しを一度やって終わると、新コンテンツの追加、季節的な変化、ロングテールワードの特定などを見落とす場合があります。

洗い出したキーワードの分類

洗い出したキーワードは、色々な分類軸でグルーピングしてみましょう。

冒頭述べたようにキーワード選定は、最終的にサイトやコンテンツを制作/リニューアルするために行いますので、キーワード選定作業の中で、どういったコンテンツが必要になるか、どういったサイト構造にするべきかを知る必要があります。

キーワード分類フェーズでは、キーワードを色々な軸で分類することで、一定の粒度でユーザーのニーズがまとめ、各キーワードグループ(ニーズ)に対して、どういったコンテンツが必要になるか、どういったサイト構造が良いかを考えながら分類していきます。カテゴリ構造やサイトマップを作る気持ちでやると、やりやすいかと思います。後々、制作をスムーズに進めるためにも、キレイに整理していきましょう。

分類方法としては、カスタマージャーニーの各段階で分類しても良いですし、その他、よく使われれる分類例としては下記のようなものもあります。

  1. ブランドワード単体
    例:「Ginzamarkets」、「P&G」、「microsoft」、「楽天市場」
  2. ブランドワード×カテゴリ名など掛け合わせ
    例:「ソニー テレビ」、「リーバイス ジーンズ」
  3. ノンブランド:ビッグワード
    例:「賃貸」、「転職」、「英会話」、「海外旅行」
  4. ノンブランド:ビッグワード×地域等掛け合わせ
    例:「分譲マンション 中央線沿線」、「アルバイト 渋谷」
  5. ノンブランド:ビッグワード×その他ワード掛け合わせ
    例:「賃貸アパート 敷金礼金なし」、「英会話 海外出張」
  6. ノンブランド:カテゴリ名、サブカテゴリ名
    例:「家具」、「キッチン」、「寝具」、「ペット用品」
  7. ノンブランド:取り扱いブランド、取り扱い商品名
    例:「Nike」、「puma」、「YONEX」、「Prince」
  8. 事業に関連する一般名詞
    例:「ゴルフ場」、「SEO対策」、「部長研修」
  9. コンバージョンに直結するキーワードの掛け合わせ
    例:「スカート 購入」、「北海道旅行 予約」、「マンション 資料請求」
  10. 担当者のカテゴリ別
  11. 競合が存在する事業単位
  12. CMSテンプレート別
  13. その他(ユーザーの悩みワード、ユーザーニーズ等)
    例:「にきび」、「肌荒れ」、「乾燥肌」、「冷え性」
  14. 月別のSEO施策実施ワード別

まとめ

今回はSEOキーワードの洗い出し、分類の方法を紹介しました。SEOを意識したウェブサイトやコンテンツ制作/リニューアルは、このキーワードの洗い出しと分類から始まりますが、ここでミスると後々取り返しづらくなりますので、ぜひ、しっかり行ってください。

この後の作業である「キーワード絞り込みと優先度付け」やSEOのモニタリング用のキーワード選定の方法は下記の記事にて説明しています。

また、海外のSEOを行われる場合は、ターゲットとする国の検索市場の調査が重要になります。こちらの記事で海外SEOにおけるキーワード調査や競合調査、リンク調査の行い方を紹介しています(海外SEOを始める前に行うべき検索市場調査)。

参考にしていただけると幸いです。

補足

今回の内容は、当社作成の「社内SEO担当者のためのインハウスSEOガイド(全82ページ)」から7ページ分の内容を抜粋/加工したものです。

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