Ginzamarkets の2011年を振り返って

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A Year in Review at Ginzametricsこの12ヶ月を通してGinzametricsは大きく変化し、また成長することができました。そこでGinzametricsに起こったことや私自身の変化を簡単にまとめようと思います。

この内容に何かしら関心を持って頂き、特にスタートアップやその創業者にとって何かしら役に立つことがあれば、これに勝る喜びはありません。

1人から5人に

昨年の今頃は、私はもっぱらカフェや自宅で仕事をしていました。最初のシード資金調達の最中にあり、銀行口座には少ないお金しか残っていませんでした。もうしばらく会社を続けるだけの資金はありましたが、まだエンジニアを採用できる状態ではありませんでした(特にシリコンバレーでは)。幸いにも、いくつかの取引を得ることができ、私一人であれば十分な利益が出る状態でした。しかし、資金繰りが苦しかった過去2年を経て、コストに関しては私は慎重な対応をとるようになっていました(おそらく現在もそうです)。

そのため、私は日々新規取引を獲得しようと動き、ブログを書き、アプリケーションやドキュメントをできるだけ日本語訳し、新機能を作り、ソフトウェアの運用を行い、既存のお客様にできるだけ満足して頂けるように努力していました。
体力的にも非常に大変な時期で、数ヶ月後に最初の社員を雇用するまで続きました。

幸運にも最初のシード資金を調達でき、私は採用のための活動を始めました。1人目はNickで、彼とは数週間にわたり話をしました。彼は早い段階で共同創業者として参画する意思を示し、またそれに見合うだけの献身的な働きぶりでした。その後、西海岸で2人のエンジニアが入社しました、ShunとCarlosです。別のエンジニアとの出会いもありましたが、現在のベストな開発チームができ非常に興奮しています。

開発チームを作ること

素晴らしいエンジニアの採用の後、開発チーム作りでおそらく最も難しかったのは、製品開発の主要な役割と私自身を切り離すことでした。それは私が想像していたものより、はるかに時間がかかり、また難しいものでした。
私が一人でやっていたころは、私が開発を行い即座にリリースし、誰かがバグを見つけたらそれを即座に直すような状態でした。現在もアジャイルでスピーティーな開発を行っていますが、有償でGinzametricsをご利用頂くお客様の増加に伴い、以前ほど簡単ではなくなってきています。特にエンタープライズSEO向けのソフトウェアを提供するため、より安定的でパフォーマンスを意識した形でのサービス提供が必要になりました。

また、製品開発面で私自身の考え方を変える必要性に迫られ、また時間がかかったものは、製品の自動テストプロセスを作り上げることでした。
お客様からのフィードバックを参考に製品開発を行う際、行うほぼ全てのことはプロトタイプであり、それらを捨てなければならない可能性が高いという問題もありました。全てをテストするために多くの時間を注ぐことは、私にとっては決して正しいと思えないものでした。しかし、有償のお客様が増えるにつれてソフトウェアの品質を求められるようになり、機能リリース毎に自動テストと人手によるテストプロセスを作る必要性に迫られました。

様々な方からアドバイスを頂き、その中でもDalton Caldwellのアドバイスは非常に示唆に富むものでした(彼は開発チーム作りにおいてReid Hoffmanのアドバイスを繰り返し説いてくれました)。一つすごく勉強になったアドバイスは、商品開発のペースは、CPUのようにクロックスピード、あるいは心臓の脈拍のように設定してそれを守るのが非常に大事だというものです。具体的には、リリースを決める時は「どの機能をリリースに入れるか」ではなく「この日とこの日にリリースするので、それに間に会う機能を出しましょう。」ということです。最初は、一つ一つのリリースに間に合わない機能が多く感じられてイライラしてしましたが、ちゃんと守れば全体的な開発のペースがかなり早くなります。現在は、毎週の火・木に確実にリリースしている状態になっており、最近は新しい機能がどんどんリリースできて、とてもさわやかな気分です。

その過程において、コードを書き即座に機能リリースするという昔のような俊敏性は失ってしまったかもしれません。しかし、比較的計画性のある形で機能リリースができるようになり、そして何より不用意なバグや機能デグレードを大幅になくすことができ、パフォーマンスも安定しエンタープライズのお客様にも安心して使って頂けるようになりました。このおかげで、今でもいくらかの製品開発を私が行うものの、安心して製品マネジメントやセールスに注力できるようになりました。

日本市場での本格的な事業開始

Ginzametricsは日本で生まれ、シリコンバレーで育ったソフトウェアです。私は2008年から2010年まで日本に住んでおり、当社の最初のお客様はある日本の大規模ECサイトでした。私はY Combinatorのプログラムに参加するために2010年の5月にシリコンバレーに移りました。そのため2010年の5月から2011年の9月まで、日本は当社にとって非常に重要なマーケットであるにも関わらず、日本には誰もスタッフがいない状態でした。日本の初期のお客様が当社を支持し、また信じて頂いたおかげで、日本にいないにも関わらず、私たちは成長を続けることができました。

2011年の4月に私は日本を訪れました。ある重要なお客様との打合せにて、日本のローカルスタッフによるサポートを要望されました。
世界のどこであっても良い人材を見つけるのは難しく、自身が住んでない外国でで良い人材を見つけるのははるかに難しい。Ginzametricsを作りながら(その前はSEOコンサルティング)過ごした日本での2年間は資金的に非常に苦しい期間でした、しかしそのときの素晴らしい出会いにより、今もなお素晴らしい恩恵を頂いています。

私はよき友人である藤永さん(Eagle株式会社 http://www.eagle-inc.jp/ の代表)と再会し、それにより数年前に藤永さんが紹介してくれた友人のことを思い出しました。それが清水です。清水と私は、藤永さん主催の有名なモバイル勉強会「平日夜の粋な勉強会 http://ameblo.jp/ikiben/ 」で出会いました。当時飲みながらいろいろな意見を交わし、おぼろげながらいつか彼と仕事を共にできればと思っていました。
そして私が日本を訪問した頃、清水もちょうど新しい機会を探しはじめているところでした。

いくらかのやり取りの後、私たちは共に働くようになり、彼は日本市場のカントリーマネージャーになります。彼は、良い評判作り、適切な営業、お客様との信頼関係作りなど、私にとっても学ぶところが多いです。もう一人別の清水がアメリカ市場にいてくれればと願っています。(実際に探しています 、笑)

Irimi(入身)

私は幼少の頃より日本に大きく影響されてきました。特に、私の最初の(そして大好きな)武道の先生が教えてくれた言葉が、私の心に留まり続けています。それは「入身」です。入身は一般的には「身が入っていく」を意味しますが、合気道の世界における「入身投げ」では、相手がいる場所の中に自分の体を入れて相手を投げる感じです。実際にやってみないと説明が難しいのですが、入身投げをならう時は、(相手がいるから)自分が行くべきの場所が開いていないように見えます。その気持ちを乗り越えてとにかく入ることです。

昨年、それまでの人生にないほどの多くの様々な意思決定の場面あり、見るからに無理そうだと思える選択肢が、結果として最適な判断であったこともありました。自身が適切だと思う以上に思い切った行動をとったことがあれば、極端にリスキーだと思われるアーキテクチャーの大きな変更をしたこともありました。この「入身」により、とんでもない失敗を引き起こしたこともありました。しかし多くの場合、私が当初想定したものよりも良い形で解決に至りました。

また入身と似た発想ではありますが、特に昨年の前半、私はよく自問しました。私は失敗を恐れていないか?と。
(資金を調達した後は、様々な理由によりこの問いを自身にすることを止めました。もちろん失敗に対する恐れは決してなくなることはありませんが。)

人が失敗するとき、それは次の2つのいずれかではないかと考えています。
1つは、驚くべきことに、多くのスタートアップが直面することです。自身の信念や望みを捨てて、逃げ出してしまうときです。

もう1つは、爆発することです。要するに、押し続けて押し続けて会社自体が爆発してしまうことです。私は、どうせ失敗するなら(しないと思いますが)、なるべく激しい、強烈な失敗しようと思いました。そのような失敗の方が、静かに去って行くよりはかっこいいからです。良い意味で爆発するためにする事は、悪い意味で爆発するときにする事はほとんど変わらないため、この考え方は効率的です、笑。結局途中でどういう決断をするかにより決まります。

世界各地にいるチームメンバーと働くこと

5人の従業員に加え、私たちはヨーロッパと日本で素晴らしい契約スタッフと働いています。

ヨーロッパでは素晴らしいエンジニアと働いています。一人は、弊社のサーバーは、以前Rubberという自動配備のソフトを使っていましたが、Chefというもっと良いソフトにアップグレードしてくれました。このアップグレードAmazon Web ServicesのEC2のサーバーを簡単に何台でも起動させる事ができます。もう一人は、頭が切れるRuby on Railsのエンジニアです。数週間のうちに、かなり面白い新機能を作ってくれました(来週アナウンスします)。
日本では、営業やマーケティングを支えてくれる経験豊富なコンサルタントと働いています。

世界の様々な国にいるメンバーをマネージしていますが、このような分散型チームで働いて今ほど快適だったことはないと感じています。その大きな理由の一つとして、様々なチームマネジメントツール(例えばGithubは本当に便利です)の存在があります。2008年に分散型のチームで働いていた頃は、ここまでのツールはありませんでした。開発にまつわるエコシステムはここ数年の間に非常に成熟したと感じます。

数日前、37シグナルズのブログ( http://37signals.com/svn/posts/3064-stop-whining-and-start-hiring-remote-workers )にも同様の内容が書かれていました。私たちは同じ考え方をしており、特にシリコンバレーやサンフランシスコのように採用競争が激化している地域では、採用に苦戦しているスタートアップは、国外も視野に入れた採用を行う方がよいように思います。

2012年

悲観的なな経済予測はさておき、私は2012年を迎え非常に興奮しています。成長のための資金を調達できました、得意分野を活かした体制もできつつあります、私たちの製品も徐々によくなってきました。
もちろん、やるべきことはまだまだ山のようにあります。しかし過去最高に充実した状態です。素晴らしいお客様、チームメンバー、投資家のみなさまと共にあることで、様々な困難も乗り越えていけると確信しています。

これまで当社に関わってくださった多くの皆様、そして今年関わってくださる皆様に、改めて感謝申し上げると共に、本年も何卒よろしくお願いいたします!

Ginzamarkets株式会社
代表取締役社長
レイ・グリセルフーバー

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Categories: イーブック・調査レポート.