コンテンツマーケティングって5~7年前くらいに流行りませんでしたっけ?

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2012年はコンテンツマーケティングが主要な位置づけを占めるようになる、日本でもそのような論調が少しずつ増えてきました。ソーシャルメディアの観点から見ても、SEOの観点から見ても、コンテンツマーケティングは今後重要になると思われます。

※コンテンツマーケティングって何さ?という方は、Social Media Experienceさんの「コンテンツマーケティングとは何か?:重要戦略とされる理由」の記事が上手くまとまっており、一読の価値ありだと思います。

当社もそのような見解に立っており、先日「2012年のSEOとインバウンドマーケティングの展望」というブログ記事を書かせて頂きました。

しかし私清水は、実は密かに個人的に思っていることがあります。

コンテンツマーケティングって5~7年前くらいに流行りませんでしたっけ?

そうそう、社長ブログが流行った頃です。Web系ベンチャー社長で書いてない人はいないんじゃないか、と思えたあの頃です。

このブログ記事では、昔流行ったのになぜに今さらという私の密かな感覚と、昨今の流れから来るコンテンツマーケティングの重要性を感じる、私自身の葛藤を分析することを通じて、過去の流行と今は何が違うのかを書こうと思います。

以下、完全なる私の主観になりますので、異論/反論/追加情報/補足コメント大歓迎です。

昔流行ったプル型営業/マーケティング

5~7年前に流行ったと私が思っているのは、BtoB領域でプル型営業/マーケティングと呼ばれるものです。(今でも行われていますが。)

インターネット登場前よりBtoBの営業マンは自らの腕と足で受注を獲得してきました(営業を受ける側も営業マンから多くの情報を得ていた)が、インターネットの広がりにより、営業を受ける側はネットで様々な情報収集を行うようになり、足と腕で稼ぐ営業の非効率性が課題視されるようになりました。

そこで、営業主導のプッシュ型の対極として注目されたのが、プル型営業/マーケティングです。自社のWebサイトに有用な様々なコンテンツを用意し、またメルマガ配信などにより、潜在顧客の方からWebサイトに来てもらい、問合せ/資料請求/セミナー申込などをしてもらおうというものです。これはBtoBでも特にWebと親和性の高い/Webリテラシーの高い業界で流行りました。

Webサイトに用意するコンテンツは、例えば、ノウハウ集、調査データ、事例、ホワイトペーパー、(客観的視点での)競合比較表、内部決裁申請用の添付資料サンプルなど、潜在顧客にとって有用で、かつ企業に対する信頼性の向上するようなものが用意されました。

さてここで、先ほど取り上げたSocial Media Experienceさんのブログ記事から引用させて頂くと、コンテンツマーケティングの定義は「コンテンツマーケティングは、利益につながる顧客アクションを目的として、明確に定義され理解されたターゲットを、魅了し、獲得し、エンゲージするために、適切かつ価値のあるコンテンツを制作し、配信するマーケティング手法のこと」です。

これを、昔流行ったBtoBのプル型営業/マーケティングの実践と照らし合わせると

・利益につながる顧客アクション:問合せ/資料請求/セミナー申込

・適切かつ価値あるコンテンツ:ノウハウ集、調査データ、事例、ホワイトペーパーなど

・配信する:メルマガ配信

となります。
定義だけで見ると、コンテンツマーケティングはやはり昔流行ったプル型営業/マーケティングとほとんど同じように感じます。

また、BtoBの中でも、コンテンツマーケティングを採用する割合の高い業種はプロフェッショナルサービス(94%)、ソフトウェア(93%)、広告/マーケティング(89%)のようで(※調査レポート:B2B Content Marketingより)、これは私の前職の経験そのものです。アクセス解析ソフトの会社で、Webマーケティング/アクセス解析のコンサルティングをしていました。言い換えれば、ソフトウェアの会社で、広告/マーケティングに関する領域の、プロフェッショナルサービスをしていました。

プル型営業/マーケティングと言われる前、またその最中に、MarkezineやWeb担当者フォーラムなどの専門メディアや自社サイトに連載記事を書き、セミナーで話し、事実それ経由で新規のお仕事を頂くことも当時多かったです。

プル型営業/マーケティングと言われる前から、そのような活動を開始した理由を振り返ると、2002年に発売された名著「プロフェッショナル・サービス・ファーム」にたどり着きます。この本は、グローバルコンサルティングファームのコンサルタントだった著者が、1980年代から1990年代にかけて執筆した論文をまとめ直した内容であり、当時の私のバイブルでした。
その本にプロフェッショナルファームのマーケティングに関する内容があります。

プロフェッショナルファームのマーケティング方法は、その専門性のアピールと信頼性の獲得を第一に考えるため、決して広告ではなく、案件獲得とブランド構築の両面、つまり短期的効果と長期的効果の高いものとして、論文執筆と小規模セミナーが上げられています。(だから当時私は、記事をかき、セミナーで話しました。)

話を1980年代/1990年代から2012年に戻しますと、コンテンツマーケティングの採用割合の特に高いプロフェッショナルサービスを例に考えても、事の本質は5~7年どころか、場合によっては数十年前から変わってないんじゃないか、というのが私のここまでの考えであり、昔流行ったプル型営業/マーケティングと同じような手法が、呼び名をコンテンツマーケティングに変えてまたやってきた、と感じます。

ではなぜ、今コンテンツマーケティングが注目されるのか?

最初に結論を書いてしまうと、過去から現在にわたり、ある特定のBtoB領域で個別発展を遂げてきたプル型営業/マーケティング ≒ コンテンツマーケティングが、BtoBとは別の理由によりBtoC領域でも重要視されるようになりつつあり、よって今コンテンツマーケティングが注目されている、というのが私の仮説としての結論です。

では、何がどう変わったから、BtoC領域でもコンテンツマーケティングが重要視されるようになってきたのでしょうか?

端的に言えばソーシャルメディアの浸透だったり、情報発信や選択の主導権が企業から消費者に徐々に移っているなどがその主たる理由ですが、ここで止まっては思考停止ですし面白くないので、いくつかの観点に分けてみたいと思います。

■コンテンツ(情報)発信の方法

【5~7年前】
当時は、発信方法はメルマガとRSSくらいでした。ユーザーの意思によるメルマガ/RSS登録が必要で、配信数は限定的かつ企業からの一方通行で、それ以上の広がりはほぼ皆無でした。

【今】
上記の従来からの方法は残りつつも、Facebookやtwitterなどにより配信数は大きく増えました。言うまでもなく、RTやシェアにより情報到達ユーザー数は劇的に増加し、また企業からの一方的な押しつけと比較して、情報の信頼性や質的な向上も見られると思います(あの人がRTした情報だから見ておこう的なもの)。また消費者間の拡散だけでなく、RTなどでバズったものが大手メディアに取り上げられるような、情報の流れが逆流するケースも増えました。

RTやシェアされたものが何かを考えると、著名人のつぶやきはありつつも、その大半は単なるつぶやきではなく、良質なブログコンテンツ、面白い動画などのコンテンツが大半だと思います。
コンテンツ配信の方法の進化のメリットを享受するために、コンテンツの重要性が高まります。

(きゃりーぱみゅぱみゅさんのYouTubeのPV
などは本当に良く広まりましたよね)

■コンテンツ(情報)掲載の方法

【5~7年前】
当時は、自社サイト(記事)、メルマガ、メディア(記事)くらいで、ほぼ読み物でした。リッチなユーザー体験を感じる術はありませんでした。

【今】
上記に加え、YouTubeなどの動画やウェビナー、画像コンテンツや最近流行し始めたPinterest、今後日本でも広がるであろうeBookなど、コンテンツの表現方法の多様化により、ブランドを大事にするナショナルクライアント系BtoC企業などでも、自社の世界観を表現できる機会が増えています。また、自社サイト以外でも表現が多様化する媒体が増加する事も含め、コンテンツの二次利用の可能性の広がりがコンテンツ制作のコストメリットを大きくするものと思います。

■消費者のコンテンツ(情報)閲覧の方法

【5~7年前】
当時は、BtoB企業の場合、そのコンテンツの閲覧デバイスはほぼパソコンです。また(多分)当時からリッチコンテンツ制作にはFlashなどが使われていましたが、重くてユーザビリティを阻害するような要因もありました。

【今】
上述のコンテンツ掲載の方法と表裏一体の関係になりますが、パソコンはもちろんスマートフォンやタブレット、インターネットテレビで見る人もなどデバイスは多様化し、また制作技術の進化によりリッチなユーザー体験が出来るようになりました。

■検索エンジンの変化

【5~7年前】
検索エンジン、特に自然検索の世界は、圧倒的にリンクの関係性(懐かしいディレクトリ登録含め)と内部施策であり、相対的にはコンテンツより技術的なものでした。

【今】
検索エンジンによる自然検索の重要度決めロジック、つまり検索順位付けロジックに「人」が関わるようになりました。FacebookやTwitterなどのアクションはソーシャルシグナルと呼ばれ、個々人の検索結果がソーシャルメディアの影響を受け始めています。本丸Google先生も、今年のはじめに新機能「Search plus Your World」を開始し、その浸透が進むにつれて、ソーシャルメディアの影響が徐々に広まります。

BtoC企業の中でも、ECサイトや領域特化型のマーケティングサイト(人材、不動産、金融、教育、予約など)は、以前からリスティング/SEO両方含めた検索エンジンからの流入割合が高く、またマクロで見た検索結果のクリック割合は、自然検索結果エリアの方が4倍から10倍近くも高い(リスティング:自然検索は、10%:90%とも20%:80%とも言われます)ため、ソーシャルメディアの自然検索に与える影響は、今後じわじわと無視できないものになっていきます。

※新機能のSEOに与える影響の当社見解「Google検索の新機能『Search plus Your World』がSEOに与える影響

既述の通り、ソーシャルメディアのメリットを享受するために重要なものが良質のコンテンツであり、その結果として良質なコンテンツはSEOにも良い影響を与えます。

以上のような理由により、繰り返しになりますが、過去から現在にわたりある特定のBtoB領域で個別発展を遂げてきたコンテンツマーケティングが、BtoBとは別の理由によりBtoC領域でも重要視されるようになりつつあり、よって今コンテンツマーケティングが注目されている、と考えています。

あぁ、私自身のモヤモヤ葛藤もすっきり整理できました。

補足:能書きはわかった、でもコンテンツマーケティングってうまくいくの?

ここからは、今回のブログ記事の中では補足的な内容です。

能書きはわかった、コンテンツマーケティングがなんとなく有効そうな事もわかった。

でもどういうコンテンツを出すの?、今も作業でぱっつんぱっつん、誰がそのコンテンツを作るの?、アウトソースしたらコストかかるよ、それに対する品質の管理はうまくいくの?
私がBtoC企業の担当者だったら、本音のところきっとこのように思います。

アメリカの事例を中心に、日本でも紹介される事が増えてきました。
ただ、世界銀行やNASAの事例はちょっとうちとは違いすぎるでしょう、、、とか、コカ・コーラはそりゃ超先進企業だからなあ、、、とか、HubspotやSEOMozはBtoBのネットマーケ会社だからできるんでしょ、、、と私がBtoC企業の担当者だったら感じるだろうと思います。

注:このような事例は、全く同じようにするは厳しいですが、非常に示唆に富む内容が含まれている事は間違いありません。以下非常に役立つ事例です。

・世界銀行の事例:世界銀行でソーシャルメディアで大事な事を教わってきました

・NASAの事例:NASAに学ぶコンテンツマーケティング:事例と3つのポイント

・コカ・コーラの事例:コンテンツマーケティングとは何か?:重要戦略とされる理由

じゃあどうするかという点に関して、私が把握している限り、現時点ではアメリカでも試行錯誤段階にある会社が多いようです。この点は当社も継続的に情報収集し検討し、適宜このブログにまとめていければと思います。

ちなみに、かなり勝手なる私の仮説ですが、日本だと例えばゴルフダイジェストオンラインさんが、非常に上手くコンテンツマーケティングを行っている会社ではないかと思っています。EC、ゴルフ場予約、メディアの3つの事業を持っていますが、このゴルフ情報メディアが今後効いてくるのではないかと感じています。
(例えば、プロ選手のスイング一覧分析なんてコンテンツは超秀逸で、これをYouTubeにアップ(コンテンツの二次利用)+αするだけでも、新たにトラフィックを生み出すコンテンツの出来上がりです。)

また、何をどうするか?と同じくらい大事になるのは、その効果測定だろうと思います。何をどうやるかを考える前から効果測定のことを言うのは少々気が早いようにも思いますが、とはいえ、何をするんだ?どういったメリットがあるのか?効果はどう確認するんだ?といった点は、検討や判断を行う上で実質的には不可分だろうとも思います。

こちらもコンテンツマーケティングというまとめた形での情報は、日本ではまだ見た事がないため、情報収集と検討を進めて当ブログにまとめていければと思います。

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