大企業が作るべきコンテンツマーケティングの『コンテンツ』とは?

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昨今の消費者の動きなどを勘案すると、コンテンツマーケティングは重要だろう。そう思って次に気になるのが、コンテンツって何なのさ?どういうことをすれば良いのだろう?どういう内容が良いのだろう?だと思います。

コンテンツって、映画?雑誌?音楽?アニメ??ゲーム???

「コンテンツ」とは、何やらわかるようで、イマイチわからない単語です。

このブログ記事では、大企業(特にブランディングを大事にする大企業)がどういったコンテンツを作るべきか、そのいくつかの仮説を書こうと思います。

※参考:大企業がコンテンツマーケティングに取り組むべきたった1つの理由と、まずやるべきこと

コンテンツってブログのこと??もう何年も前からやってますが・・・

コンテンツマーケティングについてアメリカのメディア記事やブログをちょっと調べてみると、大体言われている内容は共通しています。

自社ブログや記事、ホワイトペーパーやメディア記事寄稿などのテキスト系コンテンツ。
これを内製するかアウトソースするか。アウトソースの場合は、そのブロガー/ライターがどれだけソーシャルメディア上のファンを抱えているかと、自社との専門領域の親和性は大事なポイントです。アメリカではライターの取り合いになっているともいわれ、ライターにとっては良い時代の到来です。

また、コンテンツ作成時間を大きな意味で買い、ニッチメディアに対する買収や投資活動を行う企業も出てくるかもしれません。

動画ネタも良いと言われます。YouTubeに代表されるようなネット動画の成長には目を見張るものがあり、また消費者の利用時間も右肩上がりです。

インフォグラフィックもシェアラブルコンテンツ/リンクベイトコンテンツとして代表格です。確かにアメリカにはキレイで上手くまとまったインフォグラフィックが多いです。

また、画像コンテンツ、音声(ポッドキャストなど)なども良いと言われます。

当社のようなBtoB企業や、領域特化や機能系のBtoC企業であれば、この手段を用いて有用なコンテンツを提供することもできるでしょうし、期待に違わぬ効果を得る企業も増えてくるでしょう。

しかし、ブランディングを大事にするような大企業では、これら方法ももちろん重要だと思いますが、どうも私としてはピンと来ません。
例えば資生堂がインフォグラフィックを作るのでしょうか、ホンダが今以上にたくさんのブログを書くのでしょうか、、、やはりこれだけではないように思います。

では、大企業が作るべきコンテンツとはどういったものでしょうか?

大企業が作るべきコンテンツは折り紙のようなもの

大企業が作るべきコンテンツは、折り紙のようなものであろうと思います。例を変えると、観光地にある顔出し看板(顔を入れて写真を撮る)ようなものだろうと思います。

コンテンツ

それは、それ単体ではコンテンツとして完成せず、消費者が入り込み、手をかけることでコンテンツとして成立し、かつ個々人によって別々のコンテンツになるようなものです。

平たくいえば、消費者と共に作るコンテンツであり、消費者参加型コンテンツです。
「モノより思い出」の通り、企業が作ったコンテンツそのものを超えて、消費者がコンテンツに入り込む活動こそがコンテンツで、それにより思い出として記憶に残りやすくなるのではないでしょうか。

次のような流れのイメージです。

古:企業 → コンテンツ → 消費者
新:企業 → 半コンテンツ → 消費者 → ユニークな自分コンテンツ → 他の消費者

Facebookでシェアされるコンテンツを思い返しても、例えば私のTLに流れてくる情報は、半分は記事やブログ、動画やまとめ系サイトなど「その人以外」が生成したコンテンツです。しかし残り半分は「その人自身」が体験し生成したコンテンツ、例えば作った料理、外食の料理、旅行の様子、趣味に関する内容などです。

企業としてこの後者にいかに入っていくか、言い換えれば入れてもらえるかはポイントだと思います。

ブランドは、企業が決めるものではなくて、消費者個々人がどう感じているかの情報の受け手の経験に基づくものであり、またそれは記憶の蓄積であるとも言えます。
ではどういったものが記憶に残りやすいかと言えば、他人や他社(つまり企業側)から受動的に受けとった情報ではなくて、自身で体験したり考えたりした能動的な情報ではないでしょうか(例えば良記事に対して、自分自身考えたり思うところがある、というのは後者に入ります)。

その意味でも、消費者がコンテンツに入り込む活動は重要だと感じます。

もちろん、大企業にとってはブランドは非常に重要なものだと思います。この動きは企業視点に立つとコンテンツ改変でもあり、ブランド毀損のリスクを感じるかもしれません。これは組織や個人により価値観が違うため、捉え方は人それぞれだと思いますが、私としては、消費者がブランドを自分化してくれて「自分にとっての物語」を作ってくれる方が、よっぽど価値があると思います。

社内組織/社員を活用し、ストーリーにスポットライトにあてる

これまでのマーケティングは、自社の最終商品(車、化粧品、テレビ、旅行商品、ゲームなど)にスポットライトがあてられ、マーケ部門/宣伝部門/広報部門/ウェブ部門といった組織が関与してきました。(もちろん企業広告もありましたし、業界によってはイメージCM(金融など)のところもありますが。)

コンテンツマーケティングを行う場合は、最終商品はもちろんのこと、企業で行われる様々な活動、特にそのストーリーにスポットライトをあてられるだろうと思います。

プロダクトやプロモーションのコンテンツ化はもちろん、製造過程、商品企画自体、研究開発、販売部門、販路といったプロダクトのバリューチェーン上の業務は、多くがコンテンツになり得ます。それらは自社の魅力の源泉であり、強みであると思います。

これは一見ハードルが高そうに見えるかもしれませんが、既にテレビではこれが行われています。
例えば「シルシルミシル」などは製造工程が番組化された工場見学系テレビ番組といっても過言ではないでしょうし、「お願い!ランキング」の美食アカデミーでは食品メーカーや飲食チェーン店の商品企画担当者も番組に登場して採点に一喜一憂しています。

このようなものが番組として存在するということは、コンテンツ価値があるということです。

また業務やプロセスそのものだけでなく、それを担う各部門の担当者そのものもコンテンツになり得ます。
その商品にどういった思いを込めているか、どういう背景があるか、どのようや苦労や深みがあるか、技術に対する思い入れはどうか。そのようなものは15秒30秒のテレビ広告では表現しづらく、コンテンツによってストーリーとしての価値を作りやすい対象です。

例えばJALの機内誌「skyward」3月号にある、JTB田川社長のインタビュー記事(インタビュアーはJAL二宮執行役員)は秀逸です。旅の素晴らしさはもちろん、旅と震災復興の関係性や、今後の観光政策に関する内容もあり、純粋に読み物として面白く、かつ旅行というものを私の頭に刷り込んでくれます。

このような内容は、これまで広告という形ではなく、取材やインタビューなどを含め、番組コンテンツや雑誌企画として行われてきました。
メディアの消費者に対する影響力はやはり大きく(メディアに記事/企画/内容としてのる内容は影響が大きく、メディアに載る広告の影響は低下)、この形は今後も存在すると思いますが、4マス接触時間が継続的に減少している現在においては、自社で管理可能なウェブコンテンツとして作成、管理する形を増やす流れは妥当だと思います。

※参考:メディア接触時間の推移については大企業がコンテンツマーケティングに取り組むべきたった1つの理由と、まずやるべきこと参照。

ユーティリティとしてのコンテンツ

ウェブサイトに明確なコンバージョンがない大企業の場合、マーケティングの目的は認知を広めたり、既存顧客から好まれる度合いを高めることなどが中心だと思います(ブランディングとかエンゲージとかいわれるものです)。この場合、狙った消費者と継続的に接点を持ち続けられることは大事だと思います。

今ではすっかり注目されなくなってしまったガラケーですが、スマートフォン登場前でガラケーが隆盛を極めた2007年頃、モバイル業界では『ユーティリティ』というキーワードがありました。
24時間365日肌身離さぬケータイにおいて、サイトをずっと使い続けてもらいブックマークしてもらうには、ただ面白いのではなく、消費者にとって有用なツールであることが大事であり、そのようなツールをユーティリティと呼びました。ケータイ広告やメルマガ配信先である会員という考え方ではなく、利用者にとって有用なツールであるべし、というのは広告業界が中心の世界観において、新鮮な考え方であり内容でした。

コンテンツマーケティングにおいても、このユーティリティの考え方は重要で、継続的にコンテンツを利用/閲覧してもらうことで、消費者との接点を持ち続けることができます。有用ですので基本的に手放すことなく、繰り返し利用されます。

例えば私のTLに定期的に流れてくるユーティリティ系コンテンツの一つは『ナイキ+』です。ランニングをする人にとってメリットがあり、世界では既に400万人以上に利用され、私の友人たちも使い続けています。

私もそろそろダイエット目的でランニングを意識しはじめたのですが、意識するのはプーマでもアシックスでもなく、ナイキです。私の友人たちはまったく意図せずして、中期的に私の脳裏に『ナイキ+』を刷り込んでいたわけです。

『ナイキ+』はユーティリティであり、利用者の体験をコンテンツ化したものであり、自身の活動だからこそFacebookやTwitterに流し、また利用者のフォロワーに対する認知効果もあり、非常に秀逸なコンテンツだと思います。

全くの余談ですが、Nikeは新しいテクノロジーの活用が本当にうまく、つい先日もパーソナルソーシャルネットワークのPathと連動(NikeとPathが提携)しましたね。

コミュニケーションのためのコンテンツ

人間誰しも、何らかのコミュニティや団体やグループに大なり小なり属し、日々誰かとコミュニケーションしていると思います。インターネットがあろうがなかろうが、仮にあなたのブランドが世に存在しなくとも、人間同士コミュニケーションしています。

このような人間同士のコミュニケーションのためのコンテンツ、コミュニケーションを促進させるためのコンテンツは、最も難易度が高い部類に入りますが、実現できればベストなコンテンツではないでしょうか。

他の人と共同作業をし、他の人のコンテンツに再加工を加えることで楽しみ、他の人に見せるようなコミュニケーションです。

大企業の事例ではありませんが、例えばニコニコ動画は完全にコミュニケーションのためのコンテンツです。ユーザーはただ動画を見るのではなく、他の人が色んなことを書くことを前提に楽しみ、見ています。
また初音ミクもそうでしょう。「MikuMikuDance」という初音ミクを踊らせて歌わせるソフトが大人気だそうです。

今後コンテンツが増えると、一つ一つのコンテンツの寿命は今以上に短くなる可能性があります。
そのときに、コンテンツの寿命を延ばすための一つの方法が、ユーザーによる編集/再加工/発信だろうと思います。コミュニケーションの中で使ってもらいやすくするために、どういった土台やカスタマイズツールキットを作るか、といった部分も大事になるでしょう。

補足:誰が作るの?予算はどうするの?

ここまで、大企業が作るべきコンテンツの仮説を書きましたが、じゃあ予算はどうするのか?誰が作るのか?の部分が抜けていたので、補足的に書きます。

予算は、先々は伝統的メディアに使っていた予算の何割かを、コンテンツマーケティングに振り分ける形が正論でしょう。
しかし短期的な現実線では、既存のウェブ関連予算やクロスメディア系キャンペーンの予算から、何かしらの施策を減らして、コンテンツマーケティングに振り分ける形だろうと思います。

誰が作るかは、企画力が非常に重要になるため、これまでクロスメディアキャンペーンなどを手掛けてきた会社や、企画力のある制作会社などだろうと思います(デザインがきれいな会社や、安く作れる会社というより、やはり企画力です)。

それに加え、テクノロジーの比重が益々高まります。
アメリカ最大のICTアドバイザ企業であるGartnerが興味深い予測をしています。なんと先5年のうちに、CIOよりもCMOがより多くのIT支出を行うだろうというものです。

Forbesの記事:Five Years From Now, CMOs Will Spend More on IT Than CIOs Do

Gartnerのウェビナー:By 2017 the CMO will Spend More on IT Than the CIO

テキスト系コンテンツの場合は、外部ライターやブロガー、編集経験者の力を借りる形になるでしょう。
今回のブログ記事では、現時点で私自身が思っている仮説について書きました。
今後特にアメリカの事例などの調査を行いつつ、適宜情報発信していこうと思います。
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