コンテンツマーケティングまとめ 戦略と実践の成功事例:Mint.com(中)

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前回、Mint.comのコンテンツマーケティング戦略と実践の成功事例・まとめとして、コンテンツ制作と、SEO/ソーシャルメディアの取り組みについてまとめました。

前回ブログ記事: コンテンツマーケティング戦略と実践の成功事例:Mint.comまとめ(中)

このブログ記事では、Mint.comのコンテンツマーケティング戦略と実践として、メール、PR、コミュニティ、アクセス解析とABテスト、UXなどについてまとめます。

コンテンツ改善:Mint.comのウェブページ改善/UX改善の取り組み

いわゆるABテストは頻繁に繰り返しました。

例えば、βリリース前にユーザー獲得のために行ったキャンペーンでは、メッセージの異なる数パターンのランディングページを用いて、どうすればユーザーの興味を強く惹き付け、どれが最もコンバージョン率が高いかテストを行いました。

ユーザーはMint.comに何を期待するのか。節約を期待するのか、お金が増えることを期待するのか、それとも口座の不正利用の監視を期待するのか。勘に頼らず、テストとその結果数値を頼りました。
このときに実際にテストしたランディングページは次のようなものです。

パターン1:お金の節約が出来ると直接的に伝えるメッセージ
mintランディングページ1

パターン2:クレジットカードに関する危険をほのめかすメッセージ
mintランディングページ2

パターン3:感情に訴えかけるようなメッセージ
mintランディングページ3

パターン4:高品質で専門性を感じさせるようなメッセージ
mintランディングページ4

パターン5:いくらかお金が儲かるようなメッセージ
mintランディングページ5

パターン6:無意識にお金を浪費してしまう人向けのメッセージ
mintランディングページ6

サービスの使い勝手には多いにこだわり、非常に簡単なナビゲーション、操作で利用できるものを作るべく、以前 apple.com を作ったユーザーアクションデザイナーを雇いました。そのため、プロダクトデザインに関するインスピレーションはAppleからも得ており、それをプロダクト、ユーザビリティ、ユーザーインターフェースに集中させました。

また、作ったサービスに対するテストも繰り返し実施します。道ばたを歩いている人を捕まえてはユーザビリティテストを行いました。20代の若者から40、50代の大人まで、男女問わず、色々な人にテストしてもらい、何がうまくいって、何がうまくいかないかを調べるという、ユーザー中心の開発アプローチをとっていました。

コンテンツの拡散:Mint.comのPRの取り組み

サービスローンチ時、リスティング広告は使わないことにし(簡単で誰にでもできるし、本質ではないと判断したそうです)、そのかわりPR活動に力を入れました。
サービスリリースをTechCrunch40のイベントに合わせたことはその1つです。そのTechCrunch40で優勝したことで、一気に注目を集め、数百万のサイトへのアクセスと、1.5万の会員を獲得しました。

TC40での優勝が良いスタートダッシュになったことは間違いありませんが、それ以外にサービスローンチ前からPRエージェンシー(Atomicpr社)と契約し、またCEOのAaron Patzer氏もPR関連活動に自身の20%の時間を使い、様々なメディアなどとのコンタクトを通じて良好な関係を築きました。その結果として、継続的に良質なトラフィックを獲得すると共に、ブランド認知も高めていきます。

Mint.comのメール施策の取り組み

Eメールは、ユーザーにとって有用である情報を提供しました。そのため、オプトアウトされる割合は低く、Eメールをマーケティングチャネルとして活用することが出来ました。

会員に対する調査を通じて、ロイヤルティの高いユーザーからの口コミによる会員化の流れがあり、またNPS(Net Promoter Score)のスコアは高く、サービスを好意的に捉える会員が多いこともわかっていたため、ある時ソーシャルメディアを絡めたメールキャンペーンを行いました。

そのメールキャンペーンは、エンゲージメントの高い会員に対する、ソーシャル上の友人紹介キャンペーン(Socialize Email Campaign)です。

このキャンペーンでは、開封率、紹介率、紹介された人のコンバージョン率(会員化率)をチェック指標とし、キャンペーンのゴールはCPA1ドル以下と設定しました。

会員へのメールは、まず3パターンのメールABテストを行います。Aパターン:”Minty Green” iPad nanoプレゼント、Bパターン:新機能のβ早期利用、Cパターン:インセンティブなし(コントロール)の3つです。
テスト結果、Bパターン:新機能のβ早期利用、が最も成果がよかったため、残る対象会員にはBパターンのメールを送りました。

その結果は?

Mint.comからのメールの開封率は48%、うち10%がインフルエンサーになり(友人に招待を送る)、インフルエンサーは1人あたり5通送ってくれました。招待メールのクリック率は61%であり、2.6インビテーションにつき1人が会員になりました。

最終的な結果としては、8549会員を新規に獲得し、CPAは0.5ドルにおさまりました。

常日頃からユーザーに求められるサービスを提供し、また有用な情報提供を通じたエンゲージメント≒NPSスコアの高さ、があってこそのメールキャンペーン結果です。

Mint.comの主要コンテンツマーケティングKPIとアクセス解析

Mint.comの主要KPIは、プロダクトKPIは新規会員の獲得数と、アクティブユーザー数です。これが最も重要な指標です。

これ以外は部門毎に設定したKPIであり、例えばマーケティング関連ではCPAは最重要指標の一つであり、獲得単価は1ドル以下に抑えることを目標としていたようです。
どのキーワードが、サイトが、手段が、コストとコンバージョンの観点で最も効率的か常にチェックし、コンバージョンの分析、メッセージのABテスト、うまくいった投稿の分析などを通じて、ユーザーがどうコンテンツを消費して反応し、どういった施策がより効率的かを学び、それを次の施策に活かしています。

またNPS(Net Promoter Score)も重要指標として管理しており、ユーザーのMint.comに対するロイヤルティは経営層も大いに気にしていました。

Mint.comの顧客サポート

コンテンツマーケティングは、自社の潜在顧客層に対する取り組みとして行われることが多いですが、Mint.comでは自社会員のサポート業務の改善が、結果として顧客サポートの品質を上げただけでなく、新規会員の獲得にもつながりました。

Mint.comでは、会員に対するサポートは、メールによるサポートと掲示板的なフォーラムが用いられていました。しかし会員の急増により、フォーラムは十分に機能しなくなり、その結果メールサポートの対応に追われ、コスト増になっていました。

そこで、Getsatisfaction社のソリューションを用いたQAコミュニティの「 MintAnswer 」を立ち上げ直し、コミュニティマネージャーを任命しました。会員が質問を投稿し、別の会員が回答するのに加えて、コミュニティマネージャーも質問を投稿し、また回答をしながら、コミュニティ内のQAの整備、並びに未解決の質問がないか管理をしました。

このコミュニティ内でのQA投稿が活性化されるにつれ、MintAnswer内で解決される質問は増加し、また検索エンジンにインデックスされる投稿の数も増えていきました。

MintAnswerにより、MintAnswer立ち上げ前は週あたり6500あったメール問合せは1500まで減り、当初の目的を達成しました。
また副次的な効果として、会員でないユーザーも検索エンジン経由でMintAnswerコンテンツを目にすることになり、MintAnswer立ち上げ後の1年で、MintAnswerコンテンツをきっかけにMint.comの会員になったユーザーの数は、なんと13万人を超えました。

Mint.comのモバイルアプリ

iPhoneアプリのリリース(2008年12月)によって多くの会員を得ました。ファイナンス領域のカテゴリで1位になり、それはつまりBank of AmericaやPayPal、AT&Tのモバイルバンキングシステムよりも良いサービスであるとユーザーに評価されたことを意味します。
ちなみに、Yahooアプリはあまりうまくいかなかったそうです。

まとめ

Mint.comのコンテンツマーケティング戦略と実践として、PR、サイト改善とUX改善、メール施策とキャンペーン、KPIとアクセス解析、コミュニティ化を通じたサポートコストの削減とSEO効果、アプリの取り組みを紹介しました。

今回の記事内容、また前回の内容「 Mint.comのコンテンツマーケティング事例 戦略と実践まとめ(上)」を見れば、Mint.comのコンテンツマーケティングの取り組みは、単にブログを書けば良い、といったものでは決してないことがわかると思います。

全体の流れと各施策の位置づけを俯瞰した、コンテンツマーケティングの戦略と設計がなされているように見えます。(但し、初期段階からキレイに設計できたかどうかはわかりませんが)

これは私の想像ですが、多分初期段階ではマーケティングの全体像は全く描いていなかったのではないかと思います。
なんと言っても、予算がない。そして、余裕もない(と思われます)。

今回ブログ記事を書くにあたって様々な情報を調べましたが、頻繁に目にしたフレーズが「Solve a real problem for people」です。人々が実際に困っていること/課題を解決しろ、というもの。

多分、この考え方がMint.comのサービスにも、マーケティングにもDNAとして染み付いており、その結果ユーザーにとって有用な情報を提供し、サービスとして信用を得て、様々な施策の好循環を生み出したものと推測します。
 

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