コンテンツマーケティングまとめ 戦略と実践の成功事例:Mint.com(上)

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コンテンツマーケティングの成功事例・まとめとして取り上げられることの多い会社の一つが、個人向け資産管理サービスのMint.comです。
同社は MintLife というブログサイトにて、個人資産関連の様々なトピックについてのコンテンツを制作し、そのコンテンツを中心としたマーケティングを行うことで、多くの会員を獲得しました。後から振り返ってみても、秀逸なコンテンツマーケティング戦略とその実践です。

しかし、Mint.comがなぜコンテンツマーケティングを行ったか、また具体的にどういった工夫を凝らしているか、日本ではあまり知られていません。

このブログ記事では、Mint.comのコンテンツマーケティング戦略と実践と成功についてまとめます。

Mint.comとは

Mint.comは、2006年にAaron Patzer氏により設立された会社で、2007年9月に個人向けの資産管理ウェブサービスMint.comのβ版がリリースされました。

mint.com

Mint.comは、銀行口座の入出金管理やクレジットカード利用、住宅/学資ローンや投資など、個人のあらゆる資産を一括管理するウェブサービスです。
また資産管理だけでなく、節約に関する提案や、他ユーザーと比較した支出傾向の分析、何かしらの通知(怪しい資産移動があった場合のアラートなど)なども行います。

Mint.comの成功の足取り

2007年9月βリリースの2年後の2009年9月に、同業界の巨人であるIntuitに1億7000万ドルで買収されました。サービス開始2年のスタートアップが、1億7000万ドルもの金額で買収されたことは、シリコンバレーでも大きなニュースになりました。

なぜそのような金額で買収されたのか?

それは、多くの優良な会員と会員の取引データを抱えており、その結果急速に伸びる売上があったからです。

会員数は、βサービス開始の2007年9月以降、次のように伸びていきました。

・2008年3月:20万人、
・2008年6月:30万人
・2009年1月:90万人 (リーマンショック後、会員登録率は4倍以上に)
・2009年8月:140万人
・2009年9月:150万人

なぜ会員数はこのように順調に伸びていったのか?

サービスそのものが良かったことは間違いありませんが、良質なコンテンツを中心としたマーケティング活動、つまりコンテンツマーケティングが成功したと言われています。

しかし当時「コンテンツマーケティング」という言葉はなく、ましてやその方法を説くマーケターやコンサルタントもいない状態でした。

では、なぜコンテンツマーケティングを行い、どのようなマーケティングを行ったのでしょうか?

Mint.comはなぜコンテンツマーケティングを行ったのか?

実は会社設立当時お金がなく、広告を買えなかったためブログを書き始めたそうです。

もちろんライターを雇うことはできず、最初は創業者たちでシンプルな連載ブログ記事を書いていました。「財布の中に何が入っているか?」「なぜクレジットカードを使うのか?」など。
また、外部のブロガー(会計や税金などの個人専門家ブロガー)の活用もはじめました。

こうして、お金がない中で、個人資産管理に関する課題や問題についての連載ブログ記事を書き、少しずつコンテンツを蓄積し、その領域での認知度を高めていきました。

Mint.comのコンテンツ制作

当初は消去法的に開始したブログコンテンツですが、それはすぐにMint.comのマーケティング戦略の中核になっていきました。

資金調達に成功していた(2006年10、11月:100万ドル強、2007年4月:470万ドル、2008年3月:1200万ドル、2009年8月:1400万ドル、を調達)ため、広告を出稿できないわけではもちろんありません。
しかし、Mint.comは良質なコンテンツを中心としたマーケティング活動に力を入れました。

Mint.comのコンテンツ内容

家計や個人資産、節約術やファイナンス関連のニュースなど、「個人の資産管理」に関するユニークで良質な内容のコンテンツ、特に20代のビジネスマンに向けた内容を制作することに力を入れました。

コンテンツは、ニュース、ノウハウ系記事、まとめ系(キュレーション系)コンテンツ、動画、スライドショー、インフォグラフィックなど、様々な種類のコンテンツが継続的に制作されました。
またコンテンツの品質の標準化と底上げを図るべく、制作や編集チェックポイントも整備し、コンテンツ制作のスケーラビリティを高めました。

mint.comのコンテンツ

Mint.comのコンテンツ制作体制

初期は創業者や少数の外部ブロガーが記事を書いていましたが、コンテンツ制作のスケーラビリティを高めるべく、体制を整えています。

かなりのリソースをコンテンツ制作に割いており、Managing Editorと呼ばれる、ブログなどのコンテンツ制作に責任を追うポジションや、ブログ専任のスタッフも雇用しています。
外部の契約ライターも増え、節税専門家のJohn Ulzheimer氏、消費者擁護者のChristopher Elliott氏、個人資産管理のコメンテーターのBeth Kobliner氏など、各領域で活躍する専門ブロガーが記事を書いています。

また、外部ブロガーが自サイト(MintLife)で記事を書くだけでなく、自社コンテンツを外部サイト(ファイナンスポータルサイト)に提供したりし、またインフォグラフィックや多くの記事が、DiggやReddictなどのソーシャルブックマークでも頻繁に取り上げられました。

その結果として、個人資産のみならず、ファイナンス全般に関するブログでナンバーワンになり、そのブログコンテンツが多くのトラフィックを生み出しました。

また、数ヶ月にわたり良質なコンテンツに触れ続けたユーザーは、Mint.comが高品質で信頼できるサービスだと思うようになり、多くのMint.com会員につながりました。

Mint.comのSEOの取り組み

良質な多数のコンンテンツ制作の結果、多くのユーザーが自然検索経由でMint.comのコンテンツに触れ、Mint.comというサービスを知ることになりました。

ただこれは、コンテンツ制作の結果生まれた偶然の産物ではなく、初期の頃より広範囲でかつスケーラブルなSEO戦略のもとに進められたものです。勘や経験に基づくものではなく、指標に基づくアプローチ(Metrics driven approach)に基づき多くのコンテンツを制作していきました。

継続的なコンテンツ制作の結果、事業に関連する想定しうるあらゆるキーワードでGoogleの検索結果上位を占めるようになり、またランディングページも微修正を行いコンバージョンに最適化していきました。

このようなSEOの活動は、多くはインハウスで行っていましたが、(どの程度かは確認できませんでしたが)外部のSEOコンサルも活用しています。

Mint.comのソーシャルメディアの取り組み

ソーシャルメディアも、もちろん全面的に活用しました。
FacebookやTwitterにより多くのユーザーと直接的な会話を交わしました。またMint.comの熱心な読者の中にブロガーがいないか探し、そのブロガーをスポンサーするなどして、影響力のあるライターやブロガーとの関係性を強めていき、それは結果としてソーシャルでの広がりにつながりました。

またFacebookページではMint haiku(!?)コンテストをしたり、友達紹介キャンペーンなども行いました。会員獲得に直接つながらないものもあったものの、ポジティブなブランドエンゲージメントの獲得に寄与したとみられています。

FacebookやTwitter以外では、例えばStumbleUponのコミュニティメンバーに記事や動画を提供しました。その活動を通じてStumbleUpon内でのMint.comの認知が広がり、その結果多くのトラフィックをMint.comにもたらしました。

PPC、ディスプレイ広告、他のいかなる広告よりも、StumbleUponへのコンテンツ提供によるROIは高かったと言われ、StumbleUponからMint.comへの流入は、毎月平均して18万ほどであり、訪問ユーザーの2.5%程度が会員になったと言われています。

まとめ

Mint.comのコンテンツマーケティング戦略と実践として、まずはコンテンツ制作、SEO、ソーシャルメディアの取り組みを紹介しました。これはMint.comのコンテンツマーケティングの中核を占めますが、これ以外にも様々な取り組みを行っています。

それら取り組み(メール、PR、コミュニティ、アクセス解析とABテスト、UX)については、別のブログ記事でまとめようと思います。
 

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《当ブログ記事に関連するブログカテゴリ目次》
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・コンテンツマーケティング戦略、その目的と期待する効果(メリット)について
・コンテンツマーケティングの事例まとめ

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Categories: コンテンツマーケティング.