自社事業の戦略/業界動向を踏まえたコンテンツマーケティング戦略の実例

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コンテンツマーケティングのトピックで打合せを持つことも増え、自身のコンテンツマーケティングに対する考え方も少しずつ変わりつつあります。

コンテンツマーケティングに関する情報は、今でもやはりアメリカの方が多く、マーケティングの流れの中で考えることが多いです。
しかし実際に企業のマーケターの方のお話を伺うと、別の流れで考えることが増えてきました。

“自社事業の状況や戦略を受けた形”でのコンテンツマーケティング、
“業界動向や業界周辺事情を受けた形”でのコンテンツマーケティング
です。

言われてみれば、施策なりを検討するにあたって、ごく当たり前の流れです。

自社事業の状況と戦略とコンテンツマーケティング戦略

自社事業の状況と戦略を踏まえてマーケティングのあり方を検討した結果、コンテンツマーケティングの展開を検討する場合の実例です。

■ 某ITメーカーA社の場合:
ブランドアウェアネスをどう高めるか

■事業の状況/背景

ITメーカーA社は、SMB領域に強みを持つメーカー/ベンダーであり、SMB領域においてビジネスを伸ばしてきました。

その主力事業で得た利益をもとに、過去数年にわたりエンタープライズ向けの製品/ソリューションの開発に力を入れ、エンタープライズ領域でも競合に負けるとも劣らぬ製品とソリューションを取り揃える状態になりました。

商品良し、ではマーケティング展開はどうするか?といった状況です。

A社の事業別のマーケティング予算配分は、事業規模にかなり比例しており、エンタープライズ領域の予算は非常に少ない状態です。

一方、エンタープライズ領域の競合企業は、歴史も知名度も実績もあり、営業体制も充実、マーケティング予算も相対的に豊富で雑誌やウェブメディアへの広告も積極的です。

この不利な状況で、どうエンタープライズ領域におけるマーケティングを行い、どう受注を増やして行くか。これがITメーカーA社のマーケティング責任者が直面する状況です。

■マーケティング領域の検討と判断

この状況の中で、有力マーケティング戦略だと判断するのが、ウェブ上の自社コンテンツを中心としたマーケティング、つまりコンテンツマーケティングです。

チャネル含めた営業力、エンタープライズ領域での実績、広告展開は、競合企業の方が上を行きます。
使える予算が少ない中で、総花的なマーケティングアプローチは負け戦ですし、競合が強みを持つ部分を軸に攻めるのも勝ち目は薄いです。

一方で、競合企業は営業マンの営業力を中心としており、ウェブ上での情報発信は積極的ではなく、所謂カタログ的な商材説明があるに留まります。

当該商材の想定顧客層は、ネットリテラシーの高い企業の情シス部門の方であり、情報収集のためにウェブ上の情報を調べる割合が低くないことは容易に想像がつきます。

■マーケティング領域の検討と判断:詳細

ウェブを主軸にしたマーケティングを行うと判断した上で、施策としてはウェブ広告展開ではなく、「顧客が課題に感じるであろうことを解決するコンテンツ」を用意することに力を入れる方向で検討を進めます。

A社でも通常はリスティング広告を利用します。
しかし今回のマーケティング施策では、ニーズが顕在化したユーザー層の刈り取りでなく、ニーズが潜在化する前の段階のユーザーとの接点をどう作るか、そういった方にどう自社と自社商材の存在を知ってもらうか、をマーケティング目的の中心に据えます。

ニーズが顕在化する前からA社の存在に触れてもらうことにより、いざニーズが顕在化し、比較検討段階になった際に、選択肢の一つとしてA社も含めてもらうことを狙います。
(比較検討段階で、A社の商材が選択肢に入っていないケースが多いと想定しているため。)

潜在層に対する「自社と自社商材のブランドアウェアネスをどう高めるか」を目的とし、制作コンテンツのための課題の洗い出し(各トピックの洗い出し)と、SEOを意識したキーワード選定を行い、継続的にコンテンツの制作を進めています。

■ 領域特化B通販サイトの場合:
生活ニーズや季節ニーズをどう取り込むか

■事業の状況/背景

領域特化型のB通販サイトは、この領域の2番手グループの1社です。

この領域のトップ企業は、実店舗展開、通販サイト、カタログなど、領域特化型ではあるものの、全方位的なチャネル展開をして安定して高いシェアを維持してきました。

B通販サイトの取り扱い商材は、ほとんどメーカー調達商材であり、取り扱い商材は他社との差別化は大きくありません。
企業規模の違いもありトップ企業のフォロー戦略は取れず、また他社と似たアプローチも賢明ではなく、明確な方向性を持ったマーケティングの方向性が求められていました。

■マーケティング領域の検討と判断

PPC広告やアフィリエイトなどの獲得型広告は他社との差別化が行いづらく、どうしてもコスト高/体力勝負になりがちです。
これまで行ってきたSEOは、ビッグワードとコンバージョンに直結する商材関連ワードが中心であり、同様のユーザーニーズは競合も取り込みたい。つまり競争が激しい。

■マーケティング領域の検討と判断:詳細

その中で、”購入モード”のユーザーに対する直接的な訴求ではなく(正確に言えば、それはこれまで通り行いつつ)、
生活ニーズ、利用シーン、季節イベントなどに合わせた、潜在ユーザーに対する間接的な訴求と中期的な効果創出を狙いました。

例えば、母の日などの季節イベントでは、これまでも広告キャンペーンにより季節ニーズを取り込もうとしてきましたが、これは競合もやっています。結局競合との広告費の体力勝負になってしまいます。

企業としては、広告中心の施策だと「母の日の前の数週間」といった期限付きの訴求になる一方で、
消費者が「母」について考えるのは、何も母の日だけとは限りません

消費者のタイミングに合わせると、自ずと期間限定のキャンペーンではなく、年中存在する常設コンテンツが選択肢として浮上します。また「母の日」といった期間限定イベントではなく、「母に対する感謝」「母に対するプレゼント」「親孝行」といったトピックになります。

このような間接的な訴求としてのコンテンツを、年間を通して継続的にコンテンツ制作しています。

業界動向とコンテンツマーケティング戦略

業界動向や業界周辺事情を受けた形、つまり事業環境の変化に伴い、コンテンツマーケティングの展開を検討する場合の実例です。

■ シニア向けビジネスを行うC社の場合:
実質的な縮小市場でいかに事業を維持/拡大するか

■事業の状況/背景

C社では、シニア向けビジネスを行う企業で、その領域では実は業界トップ3位に入る企業です。

C社/この業界は、数年前は「団塊世代のリタイア期」でもあったため、過去になく盛り上がりを見せました。
当該領域の特化型ポータルサイトも生まれ、他業界からの参入も多く、雑誌やテレビ番組でもシニア向けの特集も多く組まれ、シニア向けビジネス全体が追い風な状況でした。

しかし「団塊世代のリタイア期」から数年経ち、少なくともC社の事業領域では「団塊世代の退職時期だから」売れるわけではないことが、結果として明らかになりました。
すると、シニア特化型ポータルサイトは閉鎖され、撤退企業も増え、メディアで取り上げられることは減り、業界全体が向かい風になりました。

■マーケティング領域の検討と判断

ブームが去ったからといって、その事業を止めることはできないのがC社です。

この業界は<シニア向けビジネスであるものの、ウェブもマーケティングチャネルとして以前より活用してきました。
しかし、業界環境の変化に伴い、ウェブに期待する役割も変わりつつあります。

【団塊世代のリタイア期】
・シニア層に対する啓蒙/認知/消費喚起は、雑誌やテレビの番組や、特化ポータルサイトが中心となり行っていた。
・自社ウェブサイトには、取り扱いブランドワード決めうちで検索してくる人が多かった。(つまり、自社ウェブサイト以外の何かしらの接点で既に啓蒙され、C社の存在や商材を把握している。)
・自社ウェブサイトは、獲得のための受け口の役割を持っていた。

【現在】
・シニア層のニーズは一定存在するが、シニア層に対して啓蒙や消費喚起をしてくれる企業/立場のプレイヤーが激減。
・自社ウェブサイトには、取り扱いブランドワード決めうちで検索してくる人は減少傾向。

つまり、自社ウェブに以前と同じ役割のみを持たせていては、市場/自社ビジネスが縮小してしまうことが懸念/予見される状態です。

■マーケティング領域の検討と判断:詳細

以前はポータルサイトや雑誌やテレビ番組が担っていた啓蒙/認知/消費喚起を、どう自社で行うかがマーケティング戦略検討の肝となりました。

マーケティング予算が湯水のごとくあるわけではなく、またキャンペーン的にスポットでアピールをすれば良いわけではないため、広告を中心とした施策は選択肢から外しました

その一方で、有力な方策として着目されたのが、ウェブ上で啓蒙目的のコンテンツを継続的に作ること & 利用可能な過去の自社保有コンテンツを再編集することです。
C社では、過去長きにわたり会報誌を発行していたため、再編集用の元ネタが社内に豊富にある状態です。

現在は、どのような手段を用いて(自社ブログのみ、ポータルサイト化、動画も用いるか等)、どういったコンテンツ群を作り、どうターゲット層とコミュニケーションを行うか検討している段階です。

これまで自社サイトにはない種類のコンテンツ作成のため、ユーザー潜在/顕在ニーズの調査のために、自社サイトの流入検索キーワードなどはあまり参考になりません。
実際に顧客と対面する担当者や、過去の会報誌や雑誌メディアのコンテンツなどを参考に、コンテンツ戦略の方向性を詰めています。

まとめ

お話を伺った方は、みなさまマーケティング責任者クラスの方もしくはマネージャーの方という理由はありますが、
企業/事業の状態や戦略、事業環境などから、その段階で選択しうる最も妥当なマーケティング上の選択肢として、ウェブコンテンツを用いる方法を選択しています。

今回の実例とその検討の流れは、その作られたコンテンツ自体を見ても分かるものではありません。

しかし、企業/事業の状態や戦略、事業環境などが起点となり検討/立案されるコンテンツマーケティング戦略は、その軸や目的が非常にシャープに明確化されており、それゆえ社内関係者の理解も得やすいものなのだろうと想像します。

コンテンツマーケティングに関する情報は、ウェブマーケ専門家やウェブマーケ会社の事例が多いですが、今後もっと幅広い領域での実際の取り組みや、事例を目にする機会も増えそうな気がします。

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